みなさんは、職業適性診断を受けたことがありますか?
いくつかの質問に答えると、自分の特徴や向いていそうな職業がいくつかリストアップされるものが、インターネット上にもたくさん掲載されています。
それらのほとんどの診断に関して、理論的根拠となっているのが、ホランドの職業選択理論です。
ホランドは、アメリカのカウンセリング心理学に最も影響を与えた理論家の一人で、個人のタイプと職業選択との関係に関する研究をしました。研究内容の概略は、以下の通りです。
- 個人の行動は、その人のパーソナリティとその人をとりまく環境との相互作用によって決められる。
- 人間のパーソナリティは、現実型、研究型、芸術型、社会型、企業型、慣習型(RIASEC)の6つのタイプ(ホランドタイプ表はこちら)に分けられる。
- (職業)環境もパーソナリティと同様に6つのタイプに分けられる。
- 人間は、自分の持っている技能や能力が活かされ、価値観や態度を表すことができ、自分の納得できる役割や問題を引き受けさせてくれるような(職業)環境を求める。
- 個人のタイプと職業のタイプが合っていると、自分の特徴が肯定されて活かされるので、ますます自分に自信を持ち、そこで期待される活動や役割を上手に行おうとする。
但し、注意点として、職業選択や進路選択は、個人が持っている様々な条件、置かれている環境と現実的に職業が持っている条件が折り合い、結果として決まっていくものですので、職業興味は、そのひとつの条件に過ぎません。
従って、世の中にある様々な職業興味検査は、その結果にこだわることを目的としているわけではなく、それをきっかけとして、自己理解、仕事理解を深め、自己のキャリア形成に主体的に取り組むためのものです。
ホランドタイプのスリーレターコードについて
- 個人のタイプも職業環境のタイプも1つではなく、3つの要素で表される。
- 隣り合っているタイプは、相関性が高いため、隣り合うタイプの組み合わせの職業は多い。
- 対角にあるタイプは、相関性が低いため、対角にあるタイプの組み合わせの職業は少ない。
スリーレターコード例:プログラマー
ホランドタイプ表