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社長自らが面接や研修に積極参加、感謝の気持ちを共有

株式会社ありがとうサービス

内定者や社員への情報発信で会社へのロイヤリティを高めます 2016年から採用担当者になり、内定者に向けて何かしたいと考えました。そこで、教師であった頃に毎日作っていた「学級通信」を思い出し、「内定者通信」を作成し、内定者やご家族に職場の最新情報をお届けしています。活気がある職場の雰囲気が伝わるよう誌面も楽しい雰囲気に。今では、四国・中国・九州に約120店舗を構えまる当社では、内定者に限らず社員間の情報共有は社風醸成やロイヤリティを高めるうえで大切です。社内報やWEB、研修を通じて積極的な情報交換につとめています。

社長室 教育採用担当
立花 玲
 愛媛大学卒業後、夢であった中学校教師に。しかし、大学時代に4年間アルバイトをしていたブックオフの元上司に悩みを打ち明けているうちに叱咤激励を受け、様々なことに挑戦したいと思い2007年に転職。ブックオフの社員、店長、エリアリーダーを務めたのち、採用に携わる。
課題
経営危機を乗り越え、世の中に感謝される会社を目指す
改善策
採用
●年に12回開催する会社説明会で社長自ら出席し、会社や経営理念を説明
●1次、4次(最終)面接を社長自らが行う
●適性検査等を実施せず、面接のみの採用活動
●内定者とそのご家族に対し内定者通信を送付
育成
●入社後2年間は、月に1回社長自ら理念やスキルアップ研修を実施
●事業別のキャリアアップ研修を実施
●社員による社員勉強会を実施
●新人研修を育てる新人店長研修を実施
●リーダーになるためのリーダー塾を実施
●細かなキャリアアッププログラムを設定
●全員に社員手帳を配布し、仕事、個人、家庭の3つの視点で目標を可視化、なりたい自分をビジュアル化する
●指定図書を社員は月に1冊、リーダーは2冊読み感想文を提出
定着
●手書きの社長メッセージを毎日、社員に発信
●入社後、2年間は毎週社員がレポートを書き、社長が手書きコメントを返答
●社内報を定期的に発行
成果
社員の成長を原動力に業績は右肩上がりで上場を実現
企業ストーリー

「ありがとう」の源泉は、苦境での周囲の支え

 現在、リユース事業と飲食事業を手掛けるありがとうサービスであるが、その源流は井本社長の祖父が戦後作ったミシンの販売をする「井本ブラザー商会」まで遡る。その後、ダイエーのフランチャイズ店舗として1971年に「今治デパート」を立ち上げるも、後に経営が思わしくなく空き店舗ができてしまった。そこで、1995年にブックオフのフランチャイズ1号店を開設。また、社長の知人から飲食店舗を引き継ぎ1985年に「トマト&オニオン」1号店をオープンさせた。
 一方でダイエーグループ離脱後、多額の負債を抱え、当時30代の井本社長は苦労を重ねたという。そんななかでも、周囲の支えもあり、徐々に事業転換に成功し、2000年にありがとうサービスの前身となる株式会社エムジーエスを設立。苦しい時代に周囲に受けた恩を返すとともに、地域から「ありがとう」と言われる企業になりたいとの思いから、2005年にありがとうサービスに社名を変更した。

入社後2年間、月1回の新人研修を社長自らが手掛ける

 井本社長の想いは、経営理念である「世のため人のため」にあらわれている。そして、経営理念を伝えようと社長が社員と積極的にコミュニケーションを図る。例えば、年12回開催する会社説明会に社長自らが出席し熱意を伝え、1次、4次(最終面接)も社長が担当する。その際、同社では適性検査などの試験を実施せず面接のみの選考。採用の人材要件は「素直で明るく勉強好き」、人の成長は青天井と考え何よりも素直で前向きな心を重視する。それが物事の吸収力につながるからだ。入社後は毎月1回、2年間研修を実施。沖縄など遠方の店舗の配属でもコストをかけ本社に集まり、社長自らが理念研修やスキルアップ研修を行う。こうした研修の成果や日頃の業務のことなど、社員は入社2年目まで毎週レポートを提出。井本社長はこのレポート全てに目を通し、一つひとつコメントを返す。
 さらに井本社長は、全社員向けに毎日、手書きのメッセージを書く。内容は仕事の方法や組織論、生き方などさまざまで、この取り組みは10年以上も続く。「誰かを経由すると温度は下がってしまう。この熱い思いをそのまま伝えたいというのが社長の口癖。でも、社長はいつ休んでいるだろうと、ちょっと不思議です」と立花氏は笑う。

社員の成長を促す読書習慣と権限委譲

 スタッフ全員に配られる社員手帳には、大切にすべき価値観や行動指針、目指すべき会社の姿が掲載されている。そして、手帳には社員一人ひとりがなりたい自分の姿を描き、仕事、個人、家庭の3つの目標を設定、1年後の目標を達成するために日々のスケジュールを埋めていく。小さなことから始め、こつこつと積み重ねれば大きな夢が叶うという自己実現への物語がそこには描かれるのだ。
 その手帳のなかには同社独自の法則が記載されている。それが、「勉強=(会った人+読んだ本+動いた距離)×経験」。この法則のとおり同社では読書を推進している。自己啓発本などを指定図書に選び、社員は毎月1冊、リーダー以上には2冊給料天引きで支給され、社員は感想文を提出し、それが社員間の勉強会の材料になる。
 さらにこの法則は、知識を詰め込むだけでなく、多くの人と出会い、多くの経験を積むことも大切であると示している。「早ければ新卒1年後に店長を任せるなど、年齢に関係なく権限移譲をすることで成長スピードを高めています」と立花氏は育成方針を語る。

JASDAQ上場と海外進出で、「ありがとう」は全国・世界へ

 こうした取り組みは社員の成長を促し、業績も右肩上がりで2012年JASDAQに上場した。この上場の背景には、利益追求型の企業が多いなかで、「地域やお客様への感謝と人材を育てることに重きを置いた企業が市場経済のなかでどれほど支持されるか試したい」そんな同社の想いがある。
 また日本独自のリユースモデルを海外へも展開したいと2016年1月、カンボジアのプノンペンに子会社を設立。今は日本製の中古商品を提供し、ゆくゆくは現地の顧客からも買い取りを実施したいと考えている。

経営理念や目的、行動指針目指すところをまとめたものを全社員で共有

事業部全店長が集まる、年に一度の会議

社長とともに7年目の同期会を実施。入社3年目、7年目、11年目・・・と4年ごとに同期会をおこなう

会社はこう変わった

離職率は低減し、好循環の人材育成モデルを構築 「若手社員から、〇〇先輩のようになりたいという声が良く聞こえるようになりました。ありがとうサービスになって10年が過ぎ、人を育てる風土はできつつあると思います」。その結果、離職率は低減。今でも1年に数人は離職するが、結婚や出産を期に離職する社員がほとんど。転勤のある同社では社員のままでいることは難しいため、転勤のないパートナー社員(パート社員)として戻ってくるという。

今すぐできるはじめの一歩! 1.経営理念や会社の価値観に沿った本を社員に勧めてみましょう。
2.プライベートを含め社員の目標を設定し、そのプロセスを共有しましょう。
3.会社説明会や面接、研修などで経営者と社員がコミュニケーションを図り経営理念を伝えましょう。

企業データ

企業名:株式会社ありがとうサービス
住 所:愛媛県今治市八町西3丁目6-30
設 立:2000年10月  資本金:547,507,600円
従業員数:174名(臨時雇用者数1,374名)※2016年2月現在
http://www.arigatou-s.com/
【事業内容】
リユース(本・家電・家具・衣類など)事業、フードサービス事業を中心にフランチャイジーとして愛媛県、山口県および九州に展開。また、フードサービス事業では「馳走家 とり壱」などオリジナル業態の店舗も積極展開。2012年にJASDAQ上場、2016年にカンボジア・プノンペンに「MOTTAINAI WORLD CO.,LTD.」を設立。

※本記事内容、データにつきましては、取材時(2017年2月)の情報です。

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