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人材の定着・スキルアップを図ることで、競合との差別化へ

石田クリーニング株式会社

「新卒を定期採用できる会社にしたい」それが私の夢です。 新卒採用をするためには、職場に新しい仲間を受け入れるだけの余裕と体制が整っていることが必要だと思います。もちろん、スタッフがイキイキと楽しく働き、「ここで働いてみたい」と学生に思われるような職場づくりも大切でしょう。私は以前から「新卒を定期採用できる会社にしたい」と考えていました。2年前から20年ぶりに新卒採用を再開し、少しずつその夢に近づきつつあります。

代表取締役
清本有策
 1994年に中途入社。クリーニングスタッフやルート集配、営業、工場運営、販売促進、店舗開発・運営、人材教育とあらゆる仕事を任されたのち常務に。2014年2月に代表取締役に就任した。「しみ抜き侍」として、メディア等でも活躍中。
課題
バブル崩壊後、景気の低迷や繊維素材の開発でクリーニングの需要が減少
改善策
採用
●2015年から、20年ぶりの新卒採用を再開
●今後の採用活動につなげるために、交通広告を実施するなど会社の認知拡大に努めている
育成
●幹部が主体となり経営理念を作成
●従業員が主体となった経営発展会議の開催と経営計画書の作成
●お客様の声を反映したチェックシートの提出を全社員に義務化、社長がコメントをつけて全員で共有
●新人向け研修を実施し、社員で制作したマニュアルを使用
●全社員およびパートタイマーを対象とした年に2回の定期研修を実施するとともに、従業員が研修の講師もつとめ、楽しみながらスキルアップを図る
●社内公募型研修では社外の講師のサポートを受けながら、課題解決に取り組む
●業務改善提案制度を実施
定着
●2014年より正社員登用制度を開始し、すでに10名を登用
●社員を対象とした時短制度も採用
●SNSを活用し、店舗間で情報を共有
●家族参加の忘年会を開催
成果
離職率の減少が人材のスキルアップにつながり、付加価値の高いサービスの提供が可能に
企業ストーリー

衣類のカジュアル化や繊維素材の開発でクリーニングの需要が減少

 1953年に先代が創業してから、現在は直営店18店舗、取次店12店舗と多店舗経営を展開している石田クリーニング。しかし、ここにいたるには紆余曲折があった。
 約20年前から衣類のカジュアル化が進み、クリーニングの需要は減少し始めた。さらにはクールビズやファストファッションの台頭で、クリーニングは嗜好品であるとのイメージが定着。また、新たに繊維素材の開発などもあり、家庭で洗うことができる衣類が増えクリーニングの需要は減少していった。
 当時、業界では大量に集めて大量に加工し捌くといった薄利多売のビジネスモデルが主流だった。工場長兼営業部長だった清本社長は「このままでは、将来の見通しが立たない」とビジネスモデルの転換を図るべきだと判断した。もともとクリーニング業は職人の仕事、特にしみ抜きなどは特別な技術を要する。自らも「不入流(いらずりゅう)」という高知に本山を構えるしみ抜き流派に弟子入りしていた清本社長は、「安く仕上げる仕事は大手やライバル企業に任せて、技術で他社との差別化を図ろう」と考えたのだ。
 ただ、技術を習得するのには時間がかかる。そこで、当時は高かった離職率を下げるために様々な取り組みを始めた。

スタッフの主体性を養い、会社への愛着と定着を図る

 まず初めに行ったのは経営理念の策定だ。経営陣だけでなく管理職も参加することで会社へのコミットを高めた。
 それと同時に「お客様の声チェックシート」を作成。これは「シミが抜けてよかったね」「今日は寒いね」など、店頭でお客様が発した何気ない言葉を全従業員が書きとめ提出。清本社長がコメントを書いて返答し全社でシェアする仕組みで、従業員とのコミュニケーション促進や新たな事業展開のヒントとした。さらに、年2回の研修、月1回の店長会、毎週通知する営業成績を記録した通知表をつかって人材教育に乗り出した。
 しかし様々な取り組みが浸透するのには3年位かかったという。清本社長は協力的な従業員は全社員の前でほめた。取り組みが報われるような雰囲気を醸成したかったのだ。こうした努力の甲斐があって従業員からアイディアや提案が起こるようになっていった。

社長就任後、積極的な正社員登用制度を始める

 そして2014年、清本氏は社長に就任する。そしてすぐに始めたのが正社員登用制度だ。「情熱を持って働きたい」「もっと働きたい」という従業員を受け入れるポジションを整備するためだ。子育てなどでフルタイムは難しいけれども働きたい人のために時間短縮社員制度も始めた。もともと女性が主体の職場で、家庭や子育てを優先できるこのポジションは人気で、そこを目指す従業員も現れたという。いい意味での競争となり、職場に活気とお互いの成長を促す空気をもたらしている。
 また、経営発展会議を開催。経営理念を具現化するために従業員を巻き込んで経営計画書を策定した。その際、長年使用してきたマニュアルも改定した。マニュアル改定の提案があったのは現場からだ。例えば、従業員のネイルはどこまで許されるのか、店内での携帯電話の使用はどこまで構わないのかなど以前のマニュアルではカバーしきれない内容が疑問として挙がった。現場が主体となって作るマニュアルは、押しつけのマニュアルではなく自分たちが参加して作ったものという意識が働き、皆よく守るという。
 石田クリーニングの忘年会では、若いママさん従業員は子連れ参加する。大きな会場を借り切って大盛り上がりだとか。福利厚生も女性目線なのだ。

離職率は大幅に改善、約15年で業績は2倍に

 現在、石田クリーニングの従業員数121名。経営改革を始めて15年、離職率は大幅に改善し従業員数、業績ともに2倍に成長した。
 愛媛県のクリーニング店がミステリーショッパーを利用し審査した点数を競うオリンピックで、石田クリーニングエミフル店が見事金メダルを受賞した。丁寧な接客、行き届いたサービス、清潔な店舗に高い評価を頂けるようになったのも、従業員が長く勤めるうちにスキルアップし、自発的に仕事に取り組んできた成果の表れだ。清本社長は、自身の改革に間違いはなかったと実感している。

どのスタッフも主体性を持ってキビキビと働く

社長と社員の間の壁がなく、信頼関係が醸成されている

各スタッフがそれぞれの目標を書き出し、社内に掲示。

会社はこう変わった

社員発のアイデアで会社全体が盛り上がる雰囲気に 清本社長自らが考案したキャラクター「しみ抜き侍」。今は、その技術を受け継いだパートタイマーの女性が「しみ抜きガールズ」として一緒に高品質のサービスを行っている。長く働く従業員の中には全社的にムーブメントを起こすようなアイデアで、店舗を一緒に盛り上げてくれるような人も出てきた。 昨年は20年ぶりに新卒者を採用。清本社長は「今後は石田クリーニングの認知度を高めて、意欲的に新卒採用していきたい」と語る。PRのために副社長に任命したAIロボット「ペッパー君」も各店舗を応援して回っている。従業員家族出演のCMも作りたいと、夢は膨らむばかりだ。

今すぐできるはじめの一歩! 1. 従業員と一緒に会社の方向性について語り合う機会を設けましょう
2. 従業員の意見も取り入れて研修を開催しましょう
3. 積極的に従業員を褒めましょう

企業データ

企業名:石田クリーニング株式会社
住 所:愛媛県伊予市灘町28番地
創 業:1953年12月
設 立:1953年12月 
従業員数:125名
http://ishida-wash.com/
【事業内容】
クリーニング業。クリーニングを通じ、お客様と地域社会に豊かで清潔な暮らしを提供。直営店 18店舗、
フランチャイズ店 12店舗

※本記事内容、データにつきましては、取材時(2017年2月)の情報です。

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