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主体性を育む職場づくりで下請け体制脱却。自社ブランドを続々投入。

株式会社志賀商店

日々の積み重ねが「現状肯定」の気持ちを育む。組織を変えるための一番の近道は、経営陣の姿勢を変えることです。以前の私は、上手くいかないことがあると「環境」や「人」のせいにしていました。自己否定の気持ちも強く、社員たちのこともどこか認めていなかったかもしれません。そんな自分自身を変えようと訪れたセミナーで学んだことが、「日々の積み重ねの大切さ」。 笑顔で挨拶をする、トイレを綺麗にする、履物を揃える、そんな小さなことを毎日欠かさず行うことで自信が芽生え、現状を肯定できるようになりました。こうした「日々の積み重ね」は、現在では各社員が取り組み、当社の社員教育と組織づくりのベースとなっています。

取締役
原 真知
1974年生まれの39歳。2000年に株式会社志賀商店入社。5年間製造の仕事に従事し、その後営業に。2009年に取締役に就任。従業員の採用・教育も担当する。
課題
家族経営の旧態依然とした組織体制、下請け体制からの脱却を図る
改善策
採用
・新卒を定期的に採用し、将来の幹部候補を育てる。
・求める人物像と採用基準を明確化。
・ユニークな選考を取り入れる(家庭での躾や器用さを把握するために「黒豆を箸でつかむ」、考え方やパーソナリティを把握するために「シュミレーションゲーム」を実施)。
育成
・経営理念を策定し、社内への浸透を図る。
・社内外の研修に積極的に参加し、社員一人ひとりのレベルアップを図る。
・経験が浅い社員にも一定の仕事を任せ、権限を委譲。
定着
・職種や部署は関係なく、横断的にチームを組んで新商品の開発を行う。
・社員が主体的に全員参加のイベントを企画・実施(花見、食事会、バーベキュー、新年会等)。
・新年会では関連業者も招待し、内部同士だけでなく外の人脈も広げる。
成果
社員の主体性が育まれ、全社で取り組んで開発した自社商品を市場へ投入。
企業ストーリー

他社と比較して気づいた、組織の未熟さ。

 「甘さに気付きました」そう語る原氏。
今から8年前、営業としてお客様や他社を訪問するようになり、自社のことを客観的に見ることができるようになったという。
 同社の歴史は古い。1951年に創業し1964年に煮豆製造専門工場に業態変更。1993年にはレトルト釜を導入し、賞味期限の長期化が可能となり取り引き先を拡大、現在の礎を築いた。産地厳選の黒豆と地元石鎚山の伏流水を使用した商品にファンは多い。
 原氏が都会から戻り、社長である父親のサポートを始めたのが2000年。当時、業績は伸び悩んでいた。その原因が原氏にはすぐには理解できなかった。しかし、営業として他社の優れた人物と会い、多くのことに気付いた。
 当時の志賀商店は家族経営の旧態依然の組織で経営理念もビジョンもない。社員の目標や評価基準も明確でなく、何よりも会社の先行きが見えないなかで職場にはマイナスのエネルギーが満ち溢れていた。
 「このままでは未来がない」そう感じた原氏は経営をテーマにした外部の研修に積極的に参加。時には社員を連れて参加することもあったという。マネジメントに関する本も読み漁った。
そうして一つの結論に達した。「当たり前のことを当たり前にできる組織を目指そう」、「何よりも従業員や取引先を大切にしよう」と。

社員全員で自社ブランドの商品を開発。

 まず原氏が徹底したのが、挨拶の奨励と事務所や工場の清掃。パート社員も含め社員全員と定期的に面談し、要望を職場環境の改善に結びつけた。こうした取り組みが実を結び、業績は少しずつ改善。職場の雰囲気も明るくなると、社員たちには新たな思いが芽生え始めた。
「もっと志賀商店の名前を世の中の人に知って欲しい」。
原氏はその気持ちに応えようとそれまでの下請け主体の体制から自社ブランドの開発・製造に力点を移す。まずは優れた商品アイディアを募ろうと、全社員を職種に関係なくチームに分けレシピを募った。横断的な取り組みは商品の開発だけでなく、社員間のコミュニケーションを高め、社風の改善という副産物ももたらした。

協調性と感謝力を見極める、ユニークな採用方法。

 2012年からは新卒採用も始めた。中長期的に同社を率いる幹部候補の育成を考えたうえでの決断だ。求める人材は「誠実で感謝の気持ちを持ち、協調性に富んでいること」
学生のパーソナリティを見極めるために、原氏は2つのユニークな採用方法を取り入れる。一つは仮想のシュミレーションゲーム。「沈没しかけの船のなかで自分も含め100人の乗客を無事脱出させるためにはどうすれば良いか」というミッションを与え、制限時間内に学生は答える。ゲームを通じて学生の協調性と献身性を見極めた。もう1つは、学生に箸で黒豆を掴んでいただいた。手先の器用さとともに基礎的な躾が身についているかを見極める。「家族をはじめ周囲から愛情を注がれることで感謝の気持ちは育まれます。その指標の一つが躾です」と狙いを語る。

主体性が育まれ、県内4番目のHACCP取得も現場の社員が主導。

 原氏を中心に始まった組織改革は社内全体に浸透し、今では若手社員が率先して職場環境の改善やスキルアップに取り組む。愛媛県内で4番目に取得したHACCPもコンサルタント無しで一から全員で衛生管理に取り組んだ証だ。花見や食事会、バーベキューなどのイベントも社員が主体で企画し、強制ではないもののほぼ全員が参加する。
 2008年に原氏を中心につくった経営理念には「私たちは豆を通して美味しさの感動、健康のよろこびを、心からの満足を提供することを使命とします!」とある。笑顔溢れる活気ある職場には、小さな豆一粒一粒に大きな想いを込める社員たちの姿がある。

本社に併設の直営店舗には、同社オリジナルの製品が並ぶ

味の良さと品質の高さで評判の豆製品。ラインアップは増え続けている

細かな加減等は、熟練の職人の手によるものも大きい

会社はこう変わった

プロジェクトチームで開発した商品を市場投入。直営店もオープン。 組織改革をはじめて約10年。「良い会社だから」と知人を紹介し、親子や兄弟、友達同士で働く社員が多数現れた。全社を挙げての商品開発では、氷砂糖で上質な甘さに仕上げた煮豆や、サラダに加える「五色まめ」など新たなジャンルを開拓し市場に投入。業績アップにつながっている。さらに消費者ともっと近くで触れ合いたいと、 工場横に「まめや」という直販店をオープンした。 「もっと志賀商店の名前を世の中に知って欲しい」社員たちが抱いた思いは、少しずつ現実のものとなっている。

今すぐできるはじめの一歩! 1.挨拶や清掃など、人として組織として「当たり前なこと」を日々着実にこなすことを推奨しましょう。
2.朝礼などにおいて、周囲の仲間や家族などへの感謝の気持ちを言葉にし、「感謝力」を養いましょう。
3.部署の垣根を超えて、現場の社員が主体的に考えるプロジェクトチームや委員会をつくりましょう。

企業データ

企業名:株式会社志賀商店
住 所:愛媛県西条市今在家921番地
創 業:1951年
設 立:1981年 
従業員数: 71名(正社員37名、2013年11月現在)
http://www.shiga-mame.co.jp
【事業内容】
豆製品の製造、直営店の運営

※本記事内容、データにつきましては、取材時(2014年1月)の情報です。

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