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五方良しの経営で、リフォーム業界の底上げを図る

株式会社さくら住宅

考える力、判断する力を養い、DNAを受け継ぐ人材を育成 当社では定期的に新卒採用を実施しています。それは、お客様に誠実に向き合うというさくら住宅が培ってきたDNAを受け継ぎ、将来的にリフォーム業界を牽引できるような人材を育成するためです。 そのために大切なのは「考察力」と「判断力」です。月次決算を全社員に公開しているのも、こうした力を養い、経営感覚を身に付けさせるためです。また、全社員に自社株を配当し、より会社へのロイヤリティを高めています。

代表取締役
二宮生憲
1947年八幡浜市生まれ。法政大学卒業後、大手住宅メーカーに入社。トップセールスを記録。2年後に同僚4人で注文住宅会社を設立。大手住宅メーカーの取締役を経て、お客様のことを一番に考えるリフォーム会社をつくりたいという思いから、1997年(株)さくら住宅を設立。先進的な取り組みが注目を浴び、取材や講演会など精力的に活動している。
課題
お客様を大切にし、信頼されるリフォーム会社を目指して会社を設立
改善策
採用
●毎年新卒者を採用
●建設業界ではあるが女性も積極的に採用。営業職やインテリアコーディネーターなどで活躍している

育成
●入社後、新人研修(3ヶ月で169時間)を実施。お茶の入れ方、靴の揃え方、畳の上の歩き方など基礎的な社会人マナーの習得を目指す
●年間目標は設定するがノルマは課さない。自発的な動機付けのために、日々の成績をサーバーで共有。自分の順列が分かるようになっている。
●月次決算は社員全員に公開。売上や経費、経常利益を共有することで、社員にも経営感覚を身につけさせる
●資格取得を奨励。取得したものには祝い金と手当を支給
定着
●年4回ボーナス
●全社員に自社株を分配し配当
●有休を使わない通院(本人・家族付き添い)のための中抜けを月3回まで許可。も1時間単位で取得可能
●産休、育休制度以外にも、5年ごとに永年勤続表彰とリフレッシュ休暇(1年=1蔓延で旅行券を支給)
●出産祝金や家族感謝手当の支給
成果
20期連続黒字、「第5回日本でいちばん大切にしたい会社」審査委員会特別賞受賞
企業ストーリー

業界のイメージを払拭する誠実な会社作りを目指す

 「一部の悪質な業者のせいで、リフォーム業界に対する世間のイメージは、決して良くないかもしれません」と二宮社長。そうしたなか、(株)さくら住宅は20年連続黒字経営を続ける。二宮社長は、大学卒業後、大手の住宅メーカーに入社し、その後、別の大手メーカーの取締役を務めるなど、一貫して住宅業界を歩んできた。「もっとお客様のことを、社員のことを考えた組織をつくりたい」と、1995年に当時の部下とともに立ち上げたのが(株)さくら住宅だ。

売上2.2%の小工事で顧客の信頼を得る

 横浜市の閑静な住宅地に本社を構える同社。屋根の葺き替えから障子の張り替えまで、あらゆる案件に対処する。工事の質の高さには定評があり、大手住宅メーカーから度々表彰を受けるほどだ。実は同社では3万円以下の小工事が全工事件数の47%を占めている。数は多いが小工事ゆえに売上高は全体の2.2%にしかならない。しかし、依頼があれば嫌がらずに受ける。二宮社長は「小工事をすすんでしているわけではありません。工事そのものは赤字ですから。でも、お客様が困っていれば手を貸す、ただそれだけです」と気負いがない。そんな姿勢が信頼を生み、現在は9割がリピート客だと言う。
二宮社長の経営スタイルは、社員・取引業者・顧客・地域住民・株主の全てが幸せになる『五方良しの経営』。例えば、一度工事を行った顧客には、会費等無料で、年1、2回行う国内外旅行ツアーに参加できる「さくらくらぶ」への入会をすすめている。ツアー代金の一部はさくら住宅が負担し、昨年もタイ・バンコクツアーに20名の参加者があった。
また、2000年から始めた「お客様株主制度」では、経営方針を理解し応援してくれる顧客に働きかけ株主になっていただいている。現在、株主構成に占める顧客の割合は63%に及び、今では株を買いたい顧客が順番待ちをしている。株主総会では豪華ディナーで株主をもてなす。二宮社長は「株主総会で聞きたいことはひとつだけ。『うちの悪いところは何ですか』と。返答は『健康のために社長は禁煙してほしい』といったくらいです」と笑う。

コミュニティスペースの運営による地域との密なコミュニケーション

地域住民に育てて頂いた会社だから、お返しをするべきだという二宮社長の考えのもと、2007年、設立10周年を記念に「さくらラウンジ」を立ち上げた。ビルの一角を改装し、町内会の会合やママ会、趣味の個展などに無料で貸し出している。コーヒー・紅茶は無料で提供され、地元の福祉作業所でつくられるパンの販売や、ときには有名シェフを招いた料理教室を開催している。「さくらラウンジは完全な社会奉仕。受注とは完全に切り離して考えています」と二宮社長はこだわりをみせるが、地域との密なコミュニケーションが新たな事業へとつながるであろう。
一方で、同社は安易な値引きはしない。職人さんに負担をかけたくないからだ。「うちは職人さんに値切ったことはありません。全て現金払いで手形も切らない。毎年12月は年越し用にと前倒しでお支払いしています。それを続けていましたが、腕の良い職人さんが手を抜かず丁寧な工事をしてくれます」と二宮社長。顧客は質の高い技術やサービスに満足し、リピート受注につながる。さらに職人さんの会「さくら会」では、研修や懇親会を行い親睦を深めている。これが取引業者の幸せに対する取り組みだ。

トップランナーの一員として、業界を牽引する存在に

誠実な仕事内容と地域や顧客とのコミュニケーションの輪で、さくら住宅は20年間連続黒字経営を続ける。『五方良しの経営』の取り組みが評価され、2014年に「平成26年度 先進的なリフォーム事業者表彰」に選定された。現在、二宮社長は安心して頼れるリフォーム会社を全国に拡げる活動として「全国リフォーム合同会議」を設立。一部の悪徳業者によりリフォーム業界全体に悪いイメージが漂っていた頃、契約時に顧客から言われた「近所だから悪いことはしないと思って」という一言にショックを受け発起した。リフォーム業界のイメージ改善、底上げを図ることを目的として、全国のリフォーム業者が集まり定期的に議題を決めて討論する。二宮社長は他にも講演会や、様々なメディアの取材を受けるなど精力的に活動している。

施工事例や社長の考えが掲載された約200ページにも及ぶ冊子「リフォームの玉手箱」

さくらくらぶで行ったタイ・バンコクツアーの一コマ

写真展が開催されているさくらラウンジの様子

会社はこう変わった

「第5回日本でいちばん大切にしたい会社」審査委員会特別賞を受賞「会社は社会の公器」と考える二宮社長は、利益は従業員や顧客、地域に還元する。ボーナスは年4回あり、第3子出産には祝い金100万円が支給される。家族を大切にすることを説き、親に感謝する家族感謝手当を支給、本人や家族の病気などに対応するため有休を消化しない通院を月3回まで許可、有休も1時間単位で取得が可能だ。こうした取り組みが評価されて、2015年には「第5回日本でいちばん大切にしたい会社」審査委員会特別賞を受賞した。

今すぐできるはじめの一歩! 1.自社のステークスホルダーを抽出し、どのような関係性を構築すべきか考えましょう
2.決算書や財務諸表は積極的に社員に公開しましょう
3.時間単位の有休取得など、社員が活用しやすい就業規則を考えましょう

企業データ

企業名:株式会社さくら住宅
住 所:神奈川県横浜市栄区桂台西2-4-3
設 立:1997年6月1日  資本金:9,800万円
従業員数:45名(パート12名含)2017年4月実績
http://www.sakura-jutaku.co.jp/
【事業内容】
法人・個人・そのほか建築物の新築・増築・改築・一戸建全面改装・マンション全面改装・改修工事・リフォーム・建築工事・建築企画設計

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