四国管財株式会社

採用 定着
プライベートを舞台とした厳選選考と「夢」の共有で事業拡大。

「会社の業績よりも、スタッフが自分の夢を実現させることが大事。目標のある人は、仕事に対するモチベーションが違います。スタッフが熱心に仕事に打ち込むことでお客様にも喜んでいただける。当社では年に1回、全スタッフに自分の夢を書いて提出してもらっています。さらにその夢を実現するための講座「夢塾」を開催し、私が講師となり一緒に将来設計、事業計画を考えています。」

企業ストーリー

きっかけ

仕事にプライドを持てず、無精ひげ、咥えタバコ、あいさつもしない社員たち

 四国管財株式会社は1962年に創業。順調に業績を伸ばしていった。汗水を流し会社を成長させていく先代である父親の背中を見て、中澤社長は小学校2年にして会社を継ぐことを決意したという。
 大学卒業後、同社の新卒入社第1号として晴れて四国管財に就職。「ビルをきれいにして、オーナー様と利用するお客様に喜ばれる。こんな素晴らしい仕事はない」先代を見て育った中澤社長はそう信じて疑わなかったが、社内の雰囲気は違った。無精ひげ、咥えタバコ、あいさつもしない。「こんな仕事、人に言えない」「若いモンがやる仕事じゃない」と先輩たちは口を揃える。朝の掃除、社用車の洗車、何を提案しても大反対。だが、新入社員として現場に飛び込み、先輩たちと仕事をしてその声を聞いていくなかで「職場環境も良くないのではないか」との思いも芽生えてきた。なんとかしたい一心で、直属の上司に相談せず、直接専務に掛け合ったことがあった。要求はすぐに通ったが、面子を潰されたと感じた先輩の怒りは相当なものだった。これではダメだ。もっと根本的に会社を良くしていかないと…。無精ひげを剃らない先輩たちに業を煮やし、毎朝髭剃りを配って回ったこともあった。悔しかった。だが、こうした逆境は中澤社長の負けじ魂に火を付けた。「怒りはありました。だけど、怒りは行動力の素になる。夢と怒りが私の原動力でした」。理想を模索しながら、中澤社長の試行錯誤は続いた。

改善策1

常に笑顔で、夢を実現することができる職場の醸成へ

 約10年間の現場生活を卒業して、管理職へと異動した中澤社長が直面したのは「いくら床がピカピカになっても、会社は守れない」という現実だった。どれだけ技術を磨いても、入札で負ければ仕事は無くなる。「技術だけでなく、スタッフの人間性を高めることが組織の強化につながる」。そう思った中澤社長はさまざまな経営方法を学んだ。
 そんなある日、知り合いの社長さんから「日本経営品質賞」というのがあるよ、と教えられた。お客様も喜び、スタッフも喜び、その活動の結果、地域にも喜ばれるという経営向上プログラムを知り、「自分のやりたかったことはこれかな」と目標が定まった。また同時期に組織活性化コンサルタントに出会ったことも大きな変革のきっかけとなった。「それまでの私は、仕事中は難しい顔をして一所懸命、プライベートは楽しくと使い分けていたのですが、そのコンサルタントに“仕事中もプライベートと同じように楽しくしてもいい”と教えられました。目からウロコとはこのこと。スタッフにも仕事を楽しんで欲しい。それをきっかけに、経営理念を作り直しました」。リッツ・カールトン・ホテルの“クレド“と呼ばれる経営理念を参考に、四国管財流の解釈を施して明文化。それが「四国管財株式会社ベーシック」だ。社会人としての基本的な常識や仕事に対する姿勢、そして中澤社長の経営哲学「会社は自分の夢を実現するための手段」といった内容が、分かりやすく15項目に文章化されている。このベーシックと会社の将来像を記載した「ドリームカード」は全スタッフが常に携帯している。

改善策2

人間性を把握するために、応募者の自宅で面接

 「会社を良くするキーワードは“採用”だと思います」と中澤社長。入社後にいくら笑顔の練習をしても、それは取ってつけたものでしかない。最初から笑顔の素敵な人を採用すれば、笑顔の練習などしなくても良いし、無精ひげを剃らない人は採用しなければいい。
 面接時には「四国管財株式会社ベーシック」を提示し、その内容を守ることができるかを確認。また入社後「そんな話は聞いてない」と言われないよう、これまでにあったトラブルや質問、疑問をチェック項目に組み入れ、細部にわたり細かに説明する。
 仕事の現場には、スタッフ1人で派遣することもある。社を代表して送るスタッフである以上、会社はそのスタッフがどういう人間であるかを把握しておかなければならない。仕事とプライベートの垣根を越え、四国管財という家族の一員として迎え入れるために、面接は応募者の自宅で行う。家族に挨拶をし、新卒者の卒業式に出席し手紙を朗読する。朝起きられないスタッフには目覚まし時計を数個渡す。ミスを個人のせいにせず、叱らない。問題点があれば、根気強く諭し続ける。採用基準は厳しいが、入社後は徹底的に面倒を見る。
 同社では産業カウンセラーを配置し、仕事だけでなく、プライベートの悩みや健康相談も24時間体制で受け付ける体制を敷いている。また仕事のこと、プライベートのこと、うれしかったこと、楽しかったこと、どんなことでもいつでも中澤社長へ直接声を送ることができるようになっている。取材中も中澤社長の携帯には、スタッフやスタッフの家族から続々とメールが届いていた。仕事に対する真摯で厳しい姿勢と、どこまでも家庭的な社風が同社を上昇気流に乗せている。

成 果

業績の倍増。口コミによる受注の大幅増。業態の変化。

 数々の改革を行ってきた結果、中澤社長の入社当時に比べ、業績は倍増。さらにお客様間の口コミによる受注が拡大し、営業にかかる時間・コスト削減に繋がった。近年では、清掃業で培ったノウハウをもとに、ビル内の売店や託児所運営などの異業種にも進出、売り上げが急速に伸びている。

最近では、社内でネコを飼っており、和やかな雰囲気作りにも一役買っている。
2013年四国経済産業局より「おもてなし経営企業選」に選出。顧客を大切にする姿勢に対する評価は高い。
理念の浸透は、社員の意識を高めると同時に、同じベクトルで仕事に臨むため、社内の風通しもよくなった。

四国管財株式会社

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