【第63回】~変化に敏感であるために 愛媛県内の採用・就活状況とこれから~

新型コロナウイルスにより、子どもから大人まで生活や働き方において変化を余儀なくされました。今回は、その影響を大きく受けた学生の就活事情と企業の採用活動状況を踏まえて、このような事態に直面したことで大切にしたい意識について書きたいと思います。

【大打撃を受けた2021
年卒の内定獲得の特徴】
 大きな変化が起きた中、企業と就活生それぞれの内定状況を伺ったことで感じたことがあります。それは、①コロナの影響が出る前の“インターンシップでの出会い”や、②早期に活動を開始した“スタートダッシュ”、③変化に柔軟に対応する“機動力”が、2021年卒業年度の場合は双方にとって成果の要になっていることです。
新型コロナウイルスの影響は、今年度だけではなく今後の採用・就職活動も続くことが予想されます。厚生労働省が公表した“新しい生活様式”もあるように、採用・就職活動においても感染防止対策が求められることは変わらないでしょう。“インターンシップ”の実施方法や、選考スケジュールも従来のフロー通りにはいかなくなるかもしれません。就活のオンライン化は進み、県内でも2022年卒向けのインターンシップメニューのオンライン化を準備している企業もでてきています。
厚生労働省公表“新しい生活様式”
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html 

 

 

 

【学生のリアルな就活事情】
 就活生は、従来の就活フローや面接形式が変わる今、それまで予定していた就活スケジュールの変更に必死に対応しています。新型コロナウイルス感染拡大防止のため合説等のイベント中止が相次ぎ、学生は企業に出会う機会を失っていきました。「これからどうやって活動をしたらいいのか」「どうやって企業を知ればいいのか」「自分に就職はできるのだろうか」という不安な声がかなり届いていました。特に県外学生のUターン就職を希望する学生の悩みは深く、「取り残されていないか」という焦りからストレスや精神的な落ち込みを抱えた学生が現在も多くいます。
このような状況下で、これまでにはなかった就活生の相談が増えました。
・音声トラブルやタイムラグのあるWEB面接に戸惑っている
・緊急事態宣言がでてから選考が中断し、再開しても学業との両立ができるのか不安
・就活そのものが長いスパンになりそうでモチベーションが維持できない
私が担当していた学生の中には、身近な人の安全を考えて感染拡大地域企業への応募を辞退した学生もいます。「せめてWEB面接でも受けさせてくれる企業はありがたい、そうでなければ就活が進まない」と話し、学生にとってそうとう動きづらさがあることを実感しました。

 

【県内企業のWEB面接状況】
学生が企業に会う機会が減ったように、影響を受けたのは企業も同じです。例年採用活動のきっかけとなる機会として期待していた合説は中止となり、学生に直接アプローチできる機会が激減し、今後の採用活動に不安を抱えつつ、学生との接点の創出を模索されているようです。
各企業、面接においてあらゆる対策を講じていると思いますが、全国的に新たな選考形式としてWEB面接が始まりました。学生に話を聞くと、オンライン説明会をきっかけに選考に進んでいるケースが増えています。
そこで愛workでは、5月中旬にWEB面接の導入状況・WEB面接の現場でおきていることについて県内企業30社(東中南予企業)にヒアリングを行いました。その内、WEBでの対応を導入しているのは10社でした(製品開発業、広告業、小売業)。
各企業様々な情報や社内環境を鑑みて判断されていると思いますが、未導入の企業の多くは「今後も導入予定はない」と回答し、それは以下のような懸念があるからのようです。
・WEB面接だとタイムラグや音声トラブルが起こることが予想され、落ち着いてコミュニケーションができないと思う
・リアルに会わないと雰囲気・印象がわからない
・募集職種が接客のため、その様子が見られないと判断がつきにくい
ただ、なかには今は導入していなくても、①今後WEBによるインターンシップや説明会・面接を検討している企業、②学生がWEB面接を希望した場合は対応する意思がある企業、③話している内にWEB面接導入の方向性を模索し始めた企業もあったようです。

 

【対面との違いで気になること・WEB面接だからこそ見える良さ】
WEB面接を導入した10社に、導入して見えた問題点、WEB面接だから見える良さについて伺いました。
◆対面との違いで見えた問題点
ネット環境に左右される/タイムラグがあるため会話の間の取りづらさがある/本来の応募者の声の大きさや勢いが感じられにくい/上半身しか見えないため最終面接で会ったときのギャップがある(態度までは見えない)/気軽に参加しているため動機や熱意、話す内容をしっかり聴く必要がある

◆WEBだからこそ見えてくる良さ
表情がはっきり見える(マスクもしなくていいため)/WEB面接に至るまでにやりとりするメールや電話等の機会で、応募者の気持ちや相手を気遣い言葉から人柄を感じ取れる/音声や映像のトラブル時に落ち着いて対応する力・コミュニケーション力も見える/自宅で面接をしているため学生の素が出やすい

ソーシャルディスタンスの意識や、時間の遣い方の価値観、コミュニケーションのツールが変化してきた今、採用・就職活動のオンライン化の需要はますます高まるでしょう。“オンライン”に漠然とした不安をもっている企業や学生は多いと思いますが、これを転機にしてチャンスに変えられる、ともいえます。なぜならば、出会える人の層や人数、接点の領域を拡大することができるからです。①企業は今まで出会いたくても行き届かなかった層や地域の就活生にアプローチすることができます。②Uターン・県外就活を目指す学生にとってもこれまで経費や時間を考慮して絞っていた選択肢を、時間とお金を有効活用して広げることができます。もちろん、オフラインの価値を生かすための工夫も、さらに大切にしていきたいものです。
“オンライン化”というテーマに限らず、日々変わる“いま、起きていること、求められること”に常にスピードをもって対応するために、日頃からアンテナを張って変化に敏感になることは大切だと思います。そして、それぞれの状況下で、必要な情報の取捨選択と、取り組むことを早期に判断し、柔軟に対応する機動力が求められると思います。

 

【愛workの意志:変化に敏感に。ピンチをチャンスに。柔軟に対応を。】
 この状況に直面し、愛workでもセンター長から職員へある発信がありました。それは、「例年以上にアンテナを立てる必要がある、変化に敏感になること」「コミュニケーションの量や質、ステークホルダーが変わってきていることを捉えて機会の創出を意識すること」です。愛workは企業や若者向けのセミナー・面接会・相談のオンライン化など新たな取り組みを始めています。これからも、五感で感じられる”対面の魅力”、離れているからこそ声(質)がダイレクトに届きやすい”オンラインの魅力”を生かしつつ、企業や若者に起きていることを敏感に捉え、私たちにできる「機会の創出」の挑戦を続けていきたいと思います。

  

6/22-6/26オンライン合同会社説明会:https://www.ai-work.jp/online/
求職者向けセミナー情報:https://www.ai-work.jp/ai_contents/info-es/info_es

 

~「人生を豊かにできる」人と組織を増やします~
ジョブカフェ愛work(愛媛県若年者就職支援センター)
若者グループ・キャリアコンサルタント 辻本 絵美

 

 

2020年06月25日更新 | カテゴリー:お知らせ, 企業の方, 愛媛の経済サイト E4, 教育機関・保護者の方