【第57回】~働き方改革について思うこと~

いつの間にか12月。今年の秋はラグビー熱の影響?もあり比較的温かかった印象でしたが、ここ最近めっきり寒くなってまいりましたね。あわてて冬支度を行っている間にも、だんだん年末に向けて忙しくなってまいりますが、インフルエンザ対策も行いながら乗り切っていきましょう。

今年度より働き方改革関連法案の1部が施行され、企業にとっても重要な課題となってきておりますが、先月我が家にもその余波がやってまいりました。それは、妻が会社からテレワークを1週間実施するよう言われ、ため息交じりに私に伝えてきたのが始まりでした。
妻の勤める企業は本社が東京にあり、来年の東京オリンピック開催期間中の出社を控えさせる為、事前に全ての部署でテレワークを試験的に実施するということで、上司より今回の指示があったようです。妻としては、「仕事とプライベートの切り分けが難しい」という理由から、テレワークは気が進まないようでしたが、それは自分自身に対してのみではなく、周りに対することも含めてのことでもありました。
我が家は私の親も同居しているため、私は親に妻のテレワークのことを事前に伝えておく必要があると思い、ずっと家にはいるが決して休みではなく、在宅勤務で1日仕事をしていることを説明しました。しかし次の日、始業時間を過ぎ、妻がパソコンを立ち上げてチャット等のやりとりをしながら仕事をしている中、「洗濯物を干しておいて」と母が頼んできたとのこと。
そこで再度、妻があくまで勤務中である旨を伝えましたが、また別の日の朝、「今日の昼間、犬を病院に連れて行ってもらえる?」と母が言ってきました。その時はちょうど私もその場にいたので、昼間は勤務時間なので、定時後なら行けることを伝えました。
結局そんなこんなで1週間が終わり、母にはあらためてテレワークがどういう働き方(状態)なのかを詳しく説明を行いましたが、はたして高齢者である母にどこまで理解できたかは疑問です。
実施前から不安に思っていた妻の予想は的中し、周りの理解も含めての切り分けの難しさを実感したことから、上司にあらためてこの状況を報告したようです。また、同じ部署の他の人からも、設備的(PC画面の大きさや作業机や椅子等)に整っていない自宅で行うことに対する身体の疲れや、通勤時間を家事等に使えるメリット等、いろいろな意見があったようでした。

このようにテレワーク1つとってみても、都心部のように、通勤時間が仕事や生活に与える影響が少なくない環境に住んでいる人たちにとってはメリットを大きく感じるかもしれませんが、逆に地方で通勤時間の負担が少なく、また同居家族や地域のコミュニティの影響が大きいところなどは、周りの理解を得ることが難しくデメリットの方が大きく感じられることもあるかもしれません。
今回のケースは試験的な面が大きいようでしたが、これがもし、テレワーク推進を目的に行わせようとするだけだったとしたら、決して良い方向には向かわないでしょうし、制度を浸透させていく過程においても、個々の状況の違いに応じて選択できる形が望ましいと感じました。

 

さらに今回のことで、みんなは働き方改革についてどう感じているのだろうか?と思い探してみたところ、次のようなアンケートを見つけました。

「働き方改革開始後、自分の働き方は変わったか」 株式会社ワークポート

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを見ると、悪化したと回答された人が、改善されたと回答した人を上回る結果となっています。
改善されたと回答した人からは、残業時間が減った、休みを取ることに対して寛容な空気になったといった意見があり、一方悪化したと回答した人からは、仕事量は減らず、強制的な残業時間削減や有給休暇の取得を迫られる為、精神的余裕がなくなった、無給作業が増えたといった意見があったようでした。

実際私の周りでも、「休日出勤はするな」、「その仕事は今日しなきゃダメなのか」、「休暇をもっと取るように」といったようなことを上司から言われている人は、多くいます。
そして、それはあまり良いこととしてではなく、「仕事は減らないのに勤務時間を減らされてもしんどいだけ」「休みをとるために余裕なく働いている」といったマイナスの声として聞くことが非常に多いように感じます。

みんながそれぞれの状況に合わせた働きやすい働き方ができることは、決して悪いこととは思いませんし、実現するために新たなシステムや“文化”の確立が必要で、それは一朝一夕に出来得るものではないかもしれません。
そして、働き方改革とは、勤務時間をただ減らせば良いということでもなく、画一的なものでもないと思います。
働き方改革を行っていくには、仕事全体の効率化、ムダの削減を行うことを前提に、表面的な改革ではなく、現場や個々の状況を見て考えていくことが必要なのかもしれません。

 

 

~「人生を豊かにできる」人と組織を増やします~
ジョブカフェ愛work(愛媛県若年者就職支援センター)
事務局グループ・キャリアコンサルタント 大野慎

 

2019年12月26日更新 | カテゴリー:お知らせ, 企業の方, 愛媛の経済サイト E4, 教育機関・保護者の方