【第51回】イマドキ新入社員早期離職のなぜ?~新卒短期離職者の本音と最近の新社会人の価値観から考える離職防止対策~

今年のゴールデンウィークは10連休と長く、4月に入社したばかりの新入社員が連休後に短期離職するケースが例年より多いというニュースが、テレビやネットで報道されていました。最近では退職サポート業のような新たな会社が産まれ、言いにくい事を代行して伝えてくれることも増加に拍車をかけているようです。
愛workにも、毎年この時期には4月に新入社員となったばかりの方が、「退職したい」、「すでに退職したので、次の就職先を見つけたい」と相談に来ます。
退職理由は人それぞれですが、本人、会社どちらかだけが一方的に悪いケースは少なく、双方に課題があるケースがほとんどです。

<ケース1>
サービス業なので土日休みでないのは覚悟していたが、さすがにこの連休の忙しさは辛すぎた。稼ぎ時とばかり、上司から厳しいノルマを言われ嫌になった。人事担当者は良い人だったが、実際自分が配属されたところの上司は、人に喜んでもらうことが好きな自分とは価値観が全く合わない人だった。

<ケース2>
同期2名が同じ店舗に配属されたが、もう1人の同期は事前研修に自主的に参加しており、明らかに自分より仕事ができた。そのため、自分がやりたいと思っていた仕事は、その同期がやることになり、自分はアルバイトと同じ仕事ばかりだった。上司はクールな人で、体育会系の熱い自分とはタイプが違い、相談しても冷たい対応だった。

どちらのケースも、最初は「仕事が忙しすぎた」「やりたい仕事ができなかった」と話していますが、良く話を聞くと、最後の退職を決める決め手となったのは、上司のタイプや価値観が自分とは全く合わなかったことです。愛媛労働局「ハローワーク定着支援者の離職理由」による短大卒・大卒の離職理由は、ここ数年ずっと「職場の人間関係、雰囲気等が合わない」が第1位です。

 

愛媛労働局「ハローワーク定着支援者の離職理由」

キャリアを積んだ社会人や保護者世代からすれば、「そんなことで辞めるのか」「自分の努力不足を棚に上げている」「人間関係はどこの会社にもある」と厳しい言葉を投げたくなると思います。
ただ今年の3月に養命酒酒造がインターネットで調査した新社会人の理想の上司は、1位が「ほんわか上司(穏やかで落ち着いている)」、癒し系上司(優しく接してくれる)であり、逆にカリスマ上司や熱血上司はほとんど支持されていません。そういった求められる上司像の変化に、企業も対応していく必要はあるかもしれません。

 

 

 

職場にこんな上司がいたらいいなあ(出典:養命酒製造)2019年3月インターネット調査

 

ほとんどの短期離職者は、新卒時の自分の就職活動を振り返り「最初に内定を出してくれたのでもうここでいいや、早く就活終わらせたいと思った」、「就活のスタートが遅くなかなか内定が出なかったので、どこでも良いと思ってしまった」など後悔や反省をしています。新しい就職先を探す皆さんは、今回の経験から深まった自己理解、「自分が仕事選びで何を大事にしたいのか、どんな仕事をしたいのか」を次の応募先にしっかり伝えられるように準備しましょう。愛workでは個別相談やセミナー、職場見学を通して、短期離職者がスムーズに次の仕事に就けるようにサポートします。
企業の方も、短期離職者に一律のレッテルを貼らず、ぜひ個々の事情を確認し、再チャレンジのチャンスを与えてあげて下さい。
そしてできれば、新入社員が短期離職を決断する前に、職場の上司が優しく、しっかり話を聞いていただけたら定着につながると思います。

 

~「人生を豊かにできる」人と組織を増やします~
ジョブカフェ愛work(愛媛県若年者就職支援センター)
教育機関グループ・キャリアコンサルタント 渡部久美子

 

2019年06月27日更新 | カテゴリー:お知らせ, 企業の方, 愛媛の経済サイト E4, 教育機関・保護者の方