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紹介に力点を置いた採用・育成戦略で企業の成長につなげる

株式会社ガイヤエクスプレス

相互の関係構築が、社員を長続きさせる秘訣当社では社会貢献の一環として宇和島市へ毎年寄付を行い、表彰を受けています。こちらが力を尽くせば、相手も応えてくれる。同じように、社員に対しても日頃から誠実な態度で接していれば、会社に利益をもたらす社員へと成長してくれます。双方向の思いやりが、居心地の良い職場を作り、社員も会社も長続きするのではないでしょうか。

専務
里井さゆり
 大手化粧品メーカーのフランチャイズオーナーを経て2002年に入社。創業当初は経理を担当。2010年、専務に就任した。2017年、同社代表取締役である里井利計氏と結婚。
課題
事業拡大に伴い、ドライバーの補充・育成が経営課題に
改善策
採用
●創業当初から、知人や社員からの「紹介」による採用のスタイルにこだわる
●異業種からの入社を奨励。固定観があまり無く柔軟性があり、素直に吸収して覚えが早い
●2017年から合同企業説明会にも参加、新卒採用を視野に入れる


育成
●各部門の先輩スタッフがリーダーとなりチームで業務を行うリーダーが責任をもって新入社員を1から10まで丁寧に指導する
●Gマーク取得委員会を立ち上げ、社員主導で活動し取得
●任命された社員で構成する「TOP会」では、年3回「プレゼン会議」を行い1人約15分で目標や計画を述べる
定着
●毎月の給料明細書に役員から一言を添えたり、社員の誕生日にお祝い会などを開催し、会社が社員を大切にしているという「思い」を伝える
●逆ピラミッドの組織風土を醸成し、社員自らが新サービスの提案を行う
●家族との時間が大切と考え、長期休暇の取得や子供の行事参加のための休暇に柔軟に対応
●社員紹介に貢献した社員には金一封
成果
高い定着率、勤続10年の社員が地元商工会議所の優秀社員賞を受賞
企業ストーリー

事業拡大による社屋移転、人材確保が急務の経営課題に

 主に運送事業や産業廃棄物収集運搬を業務とするガイヤエクスプレスは、2002年に個人宅配からスタートした。前年に家電リサイクル法が施行され、社長は不用家電の引き取りや運搬を主な業務に業績を伸ばしていった。新しいことに果敢にチャレンジする社長が事業を拡大していくなか、里井専務は自身の経験から社員を育てることに尽力した。前職は、元化粧品メーカーの個人オーナー。人材育成の重要性を知っていた里井専務は、26年間レディと呼ばれる販売員を育ててきたノウハウで、社長とは別のスタンスで会社づくりに携わっていた。それぞれの特徴を活かした役割分担で経営は順調だった。そのような中、さらなる飛躍を目指し2013年に社屋移転が決まる。敷地が広くなり車を増台、当然、ドライバーも増やす必要がある。「大変でした。入っては辞め、入っては辞めでなかなか続かない。当時は遠方まで募集をかけていました。もう何回面接したことか」専務はその時、社員を大切にするという思いをさらに強くしたという。

紹介による採用方法にこだわり、高い定着率を保つ

 ガイヤエクスプレスの採用は、知人や社員からの紹介にこだわる。「常々、社員に声掛けをしたり、給料明細の通信欄に誰か若くて働きたい子はいないかなどと書き、採用活動を続けていました。紹介にこだわるのは定着率が高いからです」と里井専務。事前に人物像を知ることができ、また、社員紹介の場合、紹介した方もされた方も責任を持ち、互いに高め合うため、高い定着率を保つことができる。昨年は6名入社に対し退職者は2名。そのうち1名は家業を継ぐためだった。紹介で年間5人を入社に導いた社員には、金一封を支給し高く評価した。
 また、同社は異業種からの入社が多い。経験者は既成概念が強く柔軟性に欠け、離職率が高くなるというのだ。里井専務は、「即戦力はいりません。資格や免許は入社後の取得で構わない。うちの色で育てたいからです。異業種から入社する人はまっさらなので柔軟性があり、素直で覚えが早い。未経験者大歓迎です」と包容力の大きさを見せる。

社員が自ら考え提案する、逆ピラミッドの組織風土へと変化

 同社の業務は一般貨物運送から産業廃棄物、粗大ごみ回収、遺品整理などと幅広く、部門も多岐に分かれている。そのため権限を委譲し、優秀な先輩スタッフがリーダーとなりチームで業務を行う。後輩社員に対しては、リーダーが、車の整備、服装や言葉遣いなどのマナーを1から10まで丁寧に指導する。「今では、各自がネットなどで情報収集し、各業務にあった新しいサービスの提案などもするようになりました」と、社長は笑顔で社員の成長を称える。
また、全日本トラック協会が認定する「Gマーク」安全性優良事業所認定の取得を目指して、社員主体で「Gマーク取得委員会」を立ち上げた。全社員の協力がなくては達成できない目標だったが、3年越しの努力が実り取得。どちらかといえば社長が先頭を走り牽引してきた同社は、組織拡大のなか、優秀な社員を育て権限を与えることで、社員が率先して行動し提案する逆ピラミッドの組織風土へと変化していった。

フラットな雰囲気の会社は、

 事務所玄関のすぐ横にある社長室。社員は気軽に出入りする。辞めた社員も頻繁に遊びに来るフランクな雰囲気だ。会社が社員を思いやる気持ちは十分に伝わっており、終業時間が過ぎても帰宅しない社員が多いとか。会社の居心地が余程いいようだ。里井専務も社員を思う気持ちを伝えるためにあの手この手を使う。毎月の給料明細には「○○家に赤ちゃんが生まれました」「今週のハッピーな人は〇〇さんです」など、他愛ないが心和む一言が添えてあり、社員の誕生日にはお祝い会が開催される。他にも「慰労会」と称した飲み会が頻繁に開かれる。
 2017年、社長と里井専務が結婚した際に、社員からサプライズで新婚旅行がプレゼントされた。「ありがたいですね。そんなことをしてもらえる幸せな経営者はなかなかいないと思います」と笑う里井専務。旅行のプレゼントは、里井専務が取り組んできた会社づくりが成功した表れだろう。

フラットで自由に話ができる雰囲気

感謝状は、様々な地域貢献の証

社員全員で目指した「Gマーク」の取得

会社はこう変わった

創業当時の地域貢献という思いは変わらず、新しい取り組みに挑戦 創業当初から社長には地元に対する強い思いがあり、それは社会貢献という形になっている。現在、障碍者採用を実施。今後も拡大する予定だ。また、取引先の7割が老人ホームや介護施設である同社では、空き家対策や独居老人への施設紹介などにも尽力している。地元のニーズに合った会社へと成長することが地域貢献につながるという発想だ。 社員の定着率が運送業界ではトップクラスの同社、昨年は商工会議所から勤続10年および皆勤の優秀社員賞を受賞する社員が現れた。愛媛県南予地区では初めて遺品整理士の資格を取得した社員もおり、これからも新しい取り組みに邁進していくことだろう。

今すぐできるはじめの一歩! 1.ささいなことでも社員を褒めましょう
2.給与明細に一言添えるなど、社員への感謝気持ちを伝えましょう
3.権限を委譲し、現場で考え、行動できる仕組みをつくりましょう

企業データ

企業名:株式会社ガイヤエクスプレス
住 所:愛媛県宇和島市寄松甲1138番地1
設 立:2002年4月  資本金:400万円
従業員数:44名(パート含む)
http://gaiya-ex.com/
【事業内容】
一般貨物自動車運送、一般廃棄物収集運搬、産業廃棄物収集運搬、特別管理産業廃棄物収集運搬を行う、地域密着型の運送企業。平成28年には遺品整理事業に着手するなど、幅広いニーズに応えるべく
最高の技術、サービスを提供できるよう、常に進化を続けている。

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