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設立以来続く増収増益。その源泉となる新卒者の成長力

山陽物産株式会社

風通しの良い社風が、社員の自主性を育みます 新卒採用を契機に社員の心の在り方が変わり、自主性が育まれたと感じます。この自主性を促すために組織の縦・横のコミュニケーションが大切です。  当社では縦のコミュニケーションを促すために、週1回、私が同席するランチミーティングを実施。会社で弁当を用意し、毎回違うメンバーで行います。仕事のことはもちろん、話題はプライベートに及ぶことも。また、横のコミュニケーションを促すために半年に1度各課で飲み会を開催。会社が一人あたり3,000円を負担しています。

代表取締役
武内 英治
 1967年生まれ49歳。高校卒業後、父親の経営する山陽刷子株式会社に入社。歯ブラシ以外の製品を取り扱うため1991年山陽物産有限会社を設立。2008年株式会社に改組、2015年には上海に駐在所を設置。ホテルアメニティの枠に捕らわれない、リラックス・癒しアイテムや受験期の合格グッズなど続々と新商品を開発、販売している。
課題
事業の拡大とともに優秀な人材の獲得と定着が必要となった。
改善策
採用
●2008年から定期的な大卒者の新卒採用を開始
●合同説明会は20代の若手社員がリクルーターとして担当
●会社説明会から面接、採用まで社長が自ら関わる
●人材要件はやる気と元気があって社会ルールを守れること
育成
●社外の研修や通信教育に対する社員の参加をサポート
●全社員で優良企業を定期的に訪問し、良い点を積極的に導入
●全ての社員に商品企画のチャンスを与え、発案した社員がリーダーとなり、チームを組んで製造販売まで関わる
●社員からの提案を可能な限り採用し、モチベーション向上につなげる
●読書習慣の推進。読書感想文提出で500円支給、社員が購入した本を会社で買い取り
定着
●意見箱に1回投書で500円支給(支給はひと月に1回まで)。優れた意見を投書した社員は表彰
●週1回、会社が弁当を支給してランチミーティングを少人数で実施
●半年に1回、各課で飲み会(費用は1人3,000円まで会社負担)
●部活動(バトミントン、野球など)や社内行事(愛媛マラソン参加、バレーボール大会など)に係る費用は全て会社負担
●売り上げ達成時には海外旅行(15億円達成時はタイ、20億円達成時はシンガポール)
成果
8年間で20名の新卒者を採用。パート社員を含めても社員数は2倍に
企業ストーリー

ゼロからスタートした会社。事業拡大のために優秀な人材の獲得が必要に

 父親が経営する、歯ブラシの製造販売を手掛ける山陽刷子株式会社の商事部門から独立し、ホテルアメニティの開発・製造・販売を手掛ける山陽物産有限会社を立ち上げた武内社長。「最初はゼロからのスタートでした」という通り、社員は武内社長1人。しばらくは一日の半分を山陽刷子で、半分を山陽物産でと二足のわらじを履いていた。
 設立した1991年はバブル崩壊前後。徐々に景気が低迷していくなかで、ホテルはより安く商材を仕入れる必要性があり受注競争が激化、後発の山陽物産にとっては顧客開拓のチャンスが広がった。不景気にも「運が向いてきた」と前向きに捉え、業界初のヘアブラシを展開するなど、その後業績は順調に伸びていく。
 その一方で、人材に関しては中途採用を繰り返していた。社員はなかなか定着せず、離職率の高さに頭を悩ませていた。そんななか、世界的にホテルアメニティを手掛けるフランスのグループGMとライセンス契約を締結。英会話のできる社員の常駐や化粧品の製造販売許可もライセンスの契約条項に入っていた。業務内容は格段に広がるなか、さらなる会社のステップアップを図るため、武内社長は新卒者の採用に着手する。
 思い切って最初の年に4名の新卒者を採用し、2008年株式会社に改組。会社が変わり始める。

新卒採用に伴い変化していく会社、社員の意識も高まる

 新卒者を受け入れるために武内社長が取り組んだのは、まず既存社員への研修だ。社会人としての基本を学ぶ3~4時間の研修を合計4回行った。研修を始めた当初は拒否感を示す社員もいたが、回を重ねるうちにスキルアップしているという自覚が芽生え、今では率先して研修や通信教育に取り組んでいる。「会社が指定する研修と社員が自らの意思で受講する研修は半々。受講したい社員の意欲や意思はできるだけ尊重し、資金面でのサポートも惜しみません」と武内社長。先日も1年間に及ぶ社外研修の受講を提案してきた社員に許可を出したそうだ。
 また定期的に全社員で優良企業を視察する企業訪問を行い、良い取り組みだと感じたものは柔軟に取り入れる。訪問の翌日に社員から「すぐにやりましょう」と提案され採用した取り組みもある。また、社員全員で訪問することで、施策を実行する際に、意思統一を図りやすいというメリットがあると言う。

社員の自主性を促す「意見箱制度」

 企業訪問を通じて取り入れた施策の一つに「意見箱制度」がある。
1回投書すると500円が支給されるこの制度を通じて幾つもの施策を取り入れた。例えば「読書習慣」の推進もその一つ。感想文を提出すると会社から500円を支給。さらに、社員が購入した本を会社が買い取る仕組みだ。
 武内社長には一貫した育成方針がある。それは社員の自主性を引き出すことだ。相談や報告に来た社員には必ず「君はどう思う?」と聞き返す。社員全員がかかわる商品開発会議にもこうした思いが反映されている。「社員から提案された商品の企画は、たとえ売れそうになくても試すようにしています。社員のやる気を削ぐことに比べれば、多少の損は大したことではない」と笑う。

新卒社員が会社の主力として大車輪の働き。採用活動も支える

 この自主性を重んじる育成方針が社員の成長を促している。今年入社8年目となる新卒1期生。その営業職2人の売上が全社の半分を占める。また、現在、合同説明会を担当するのは、入社4年目の社員。裁量権が高く会社の風通しが良いことのアピールにつながるという。8年間で新卒採用者は20名、結婚退職などをのぞく16名が現在活躍中だ。2006年から地元ホテルの指定管理業務を行っていることも「地域貢献できる企業」とのブランド醸成につながり、売り手市場の昨今でも学生のエントリー数は増え続けている。
 創業以来24期連続増収増益、次々と新たな商品を世の中に提案する原動力は「社員のモチベーション」。武内社長がESを追求してきたからこその成長であった。

新卒で採用された社員が順調に成長し、会社も成長

物資の寄付など途上国への支援も

地域貢献の一環として、地域の小学校へ歯磨きセットなどを寄付。御礼のメッセージも社員のモチベーションに

会社はこう変わった

「襟章」が示す会社へのロイヤリティ ある時、意見箱に「襟章が欲しい」という投書が入った。聞けば皆が着けたがっているという。そこで実際に作ってみると、男女かかわらず皆が喜んで着けてきた。いかに社員が会社を愛しているかがうかがえるエピソードだ。社員平均年齢37歳という若い会社だからこそ、自分たちの手で会社を成長させなければならないと社員全員が強く思っているのだろう。 収益はできるだけ社員に還元するのも武内社長の方針だ。「売上が15億円の目標を達成したときには社員全員でタイに。もちろん、滞在中にかかる経費は全て会社持ち。今期も20億円達成したので、来年シンガポールに連れていきます」と太っ腹な一面を見せた。

今すぐできるはじめの一歩! 1.社員が意見を提案できる制度や仕組みを考えましょう。
2.ランチミーティングなど、上司と社員が気軽に話し合える機会を設けましょう。
3.「襟章」など、会社へロイヤリティを高めるアイテムを作成してみましょう。

企業データ

企業名:山陽物産株式会社
住 所:愛媛県伊予郡松前町北黒田176-1
設 立:平成4年10月1日  資本金:1,000万円
従業員数:113名(パート社員含む/2017年2月現在)
http://www.sanyo-bussan.jp/
【事業内容】
ホテル用アメニティの企画・製造・販売、業務用化粧品等の販売。物流センターを持ち、自社で商品開発から製造、倉庫管理まで一貫して行う。フランス グループGMとのライセンス契約を持ち、取引先には有名ホテルや高級ホテルの名が連なる。

※本記事内容、データにつきましては、取材時(2017年2月)の情報です。
【グループ会社】
関連会社 山陽刷子株式会社、株式会社サンヨーアメニティ
指定管理施設 花の森ホテル・フラワーハウス、遊栗館

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