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社内勉強会やサンクスカードを通じて、“社員同士が褒め合う“企業風土を醸成。

株式会社トーカイ

ESなくしてCSなし、まずは社員が誇りを持って仕事ができる環境作りを推進「当社のサービスの柱は“人財”であり、当社の成長の源もまた“人財”です。トーカイグループでは“ES(従業員満足)なくしてCS(顧客満足)なし”を合言葉とし、全従業員が誇りを持って安心して働くことのできる環境づくりを推進しています。また人間力の向上にも力を入れており、冊子“ニューモラル”の配布、月刊誌“致知”の配布や社内木鶏会を通じて、当たり前のことが当たり前にできる人財の育成に努めています。」

管理本部管理部人事課課長 
吉川 直志
1965年10月生まれ。49歳。1991年、株式会社トーカイ入社。総務課~給食事業本部~シルバー事業本部~リネンサプライ事業本部を経て、2014年4月より人事と総務を兼務。
課題
2005年に上場企業のグループ企業へ。変化に伴い、幹部候補となる若手社員の育成が急務に。
改善策
採用
・人物重視の選考。1次選考で集団面接、グループディスカッションを行い、社交性、コミュニケーション能力を見る。
・2次、3次面接では工場見学会を開催。社内や従業員の雰囲気を知って頂いたたうえで、ミスマッチを解消し最終選考へ。
・面接時の表情を重視。緊張したぎこちない笑顔でも、笑顔を作ろうと努力する前向きな姿勢を評価。
育成
・月刊誌「致知」の配布と、それを利用した勉強会「社内木鶏会」を月1回開催。
・冊子「ニューモラル」の配布。人としての行い、心の在り方の大切さを学び、人間力向上を目指す。
・キャリアアップ制度で、学びたい社員をバックアップ。通信教育の推進、社外講習受講支援、資格取得祝金の支給。

定着
・社訓、トーカイ憲章、行動指針を配布するとともに、朝礼や会議の前に唱和し、経営理念の浸透を図る。
・くるみんマーク取得。育児休業、介護休業、有給休暇等の制度を「利用するのが当たり前」という企業風土の醸成。
・毎年ESアンケートを実施。各部署でES(従業員満足)向上委員を選出。月1回計画に対する進捗状況を確認。
成果
第3回四国でいちばん大切にしたい会社大賞奨励賞受賞。新卒採用数の倍増。堅調な右肩上がりの売り上げ。
企業ストーリー

東証一部上場企業グループの連結子会社へ。

 香川県高松市の株式会社トーカイは1962年創業。病院リネン、基準寝具のリースなどの業務を中心にスタートした。その後、給食事業やシルバー事業にも進出し、順調に業績を伸ばす。もともとはオーナー企業で、トップを中心にまとまりのある会社であった。現在、人事課長を務める吉川氏は91年に入社し、まず総務部へ配属された。今ほどの規模ではなかったが、「入社したてにも関わらず、責任ある仕事を任せてくれて、とても良い経験になりました。当時から業績は安定していましたが、採用に関しては業種的に目立たないせいか、正直なところあまり人気がありませんでした」。しかし、介護保険制度のスタートとともに、シルバー事業が脚光を浴びることとなり、学生の応募も急激に増加するようになった。
 2005年6月、会社の歴史を変える大きな出来事が起こった。それまで友好関係にあった同業者、岐阜県の株式会社トーカイと資本提携、2007年8月には連結子会社となったのだ。その後、2011年3月には親会社である岐阜トーカイが東証一部に上場した。「オーナー企業から東証一部上場企業のグループ企業へと変わっていった6年間、私を含めて多くの社員に戸惑いがありました。でも、そうした変化に対応することが、社員の成長につながったのではないでしょうか」と吉川課長は振り返る。管理職の責任と権限はより明確になり、ボトムアップによる企業運営が求められるようになっていった。

社内木鶏会で、所属や役職を超えた風通しの良い企業風土醸成へ。

 トーカイでは、求める人財像を“人として当たり前のことが当たり前にでき、正しい生き方ができる人財”としている。これを具現化するために、公益財団法人モラロジー研究所発行の月刊誌「ニューモラル」を全従業員に配布。人としての行い、その基となる心のあり方の大切さを学ぶ教材としている。
 さらにユニークなのが、「社内木鶏会」と呼ばれる人間力を磨き高めることを目的とした社内勉強会で、毎月1回、終業後に行われる。ここでは所属、役職、年齢等は一切関係無い。人間教育をテーマとした教材を読み、各グループでその感想を発表。それに対し良かった点を誉め合う。“美点凝視”といい、お互いの素晴らしさを評価し、人間性を尊重し合う心を養う。木鶏会によって、何かが急速に変わったわけではない。しかし継続することで「少しずつ良い変化が出ていると思います」(吉川課長)。「普段あまり接する機会の無い事業本部間の壁が低くなってきました」(人事課 大西主任)。「人前であまり緊張せず話せるようになりました」(人事課 山田さん)。普段、顔を合わせる機会の少ない社員同士が、美点凝視、ざっくばらんな会話を通じて打ち解け、風通しの良い企業風土を醸成している。

サンクスカードで、職場コミュニケーションの活性化

 トーカイグループの職場を明るくしているツールの1つが「サンクスカード」だ。従業員間で、日々感謝していることや同僚に手伝ってもらって嬉しかったことなど、感謝の思いをカードにしたためる。このカードは相手に直接渡してもいいし、各部署に設置された掲示板やツリーに飾ってもいい。「ありがとうの言葉をいただいて、嫌な気持ちになる人はいない。間違いなく職場のコミュニケーション活性化に役立っていると思います」(大西主任)。こうした“ありがとうの見える化”により、家族愛的なあたたかな雰囲気が生まれ、明るい職場作りにつながっているという。また、サンクスカードの掲示方法や飾りつけは各部署の裁量に任されており、本社および工場内に意匠を凝らした掲示がされている。さらに、平成26年度から四半期に1度、選りすぐりのサンクスカードを集めた冊子を作成し、従業員に配布している。

堅調な右肩上がりの売り上げ。新卒採用数の倍増。

 “ESなくしてCSなし”を合言葉に、トーカイグループ全体でさまざまな施策に取り組んでいるが「それが今すぐ数字に表れる、ということではない」と吉川課長。それでも成熟産業と言われるリネンサプライ業界で、堅調な右肩上がりの業績を保ち続けていられるのは、各種施策の成果と考えていいだろう。特に、過去6年間の新卒採用数がそれ以前に比べ倍増している点は見逃せない(2008年以前:平均6名、2009年以降:平均11名)。
 労働人口の減少が指摘される昨今、「人財が確保できないようでは、我々の業務も立ち行かなくなりますから」と吉川課長。こうした地道な取り組みが、第3回四国でいちばん大切にしたい会社大賞奨励賞の受賞にもつながった。

オープンな雰囲気のミーティングでは、若手・ベテラン問わず活発に意見交換。

職場のコミュニケーションが活発になったことにより、雰囲気が良くなり、仕事の連携も改善。

“ありがとうの見える化”を実践したサンクスカード

会社はこう変わった

工場の隅々まで、全従業員が快適に働ける職場環境を目指して。 「本当に変わったなぁ、と思いますね」。1991年に入社した吉川課長はしみじみと振り返る。2011年に入社した人事課の山田さんは「休みが取りやすい。私は最初からこの環境だったので、当たり前のように思っていましたが、先輩たちと話をしていて、当たり前ではないことと気づかされました」と言う。吉川課長は「以前は3Kと呼ばれた工場の仕事も、最新の設備を揃え、以前に比べれば快適に仕事ができるようになりました。でも、まだまだ。会社の隅々に至るまで、全従業員が誇りと喜びを持って働ける環境を作れるよう、日々考えています」と語る。

今すぐできるはじめの一歩! 1.サンクスカードの導入など、社員がお互いを認め合える企業風土を作りましょう。
2.事業本部や役職の壁を超えて、社員が同じ目線でざっくばらんに話し合える機会を
 設けましょう。
3.ワークライフバランスの実現に向け、ノー残業デーなど、仕事が終われば気兼ねなく
 帰宅できる取り組みを推進しましょう。

企業データ

企業名:株式会社トーカイ
住 所:香川県高松市鶴市町2025-3
設 立:1962年10月 
従業員数:685名(2014年12月現在)
http://www.to-kai.co.jp/
【事業内容】
病院関連事業、寝具リース・ホテルリネンサプライ事業、メディカル・システム・サービス事業、CIC事業

※本記事内容、データにつきましては、取材時(2014年12月)の情報です。

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