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プライベートを舞台とした厳選選考と「夢」の共有で事業拡大。

四国管財株式会社

年に一回、社員の夢と将来設計を一緒に考える「会社の業績よりも、スタッフが自分の夢を実現させることが大事。目標のある人は、仕事に対するモチベーションが違います。スタッフが熱心に仕事に打ち込むことでお客様にも喜んでいただける。当社では年に1回、全スタッフに自分の夢を書いて提出してもらっています。さらにその夢を実現するための講座「夢塾」を開催し、私が講師となり一緒に将来設計、事業計画を考えています。」

お客様係&代表取締役
中澤 清一
1962年高知県生まれの52歳。小学校2年時、先代が経営していた四国管財株式会社を継ぐことを決意。大学卒業後に新卒で同社に入社、現場~管理職を経て、お客様係&代表取締役に。夢は「人生最後を迎えた時、1人でも多くの方に惜しまれるとともに、子どもに“お父さんて凄かったんだ”と言われること」。
課題
3Kと呼ばれ敬遠される清掃業。胸を張って「四国管財に勤めています」と言える会社を目指す。
改善策
採用
・勤務する上での順守すべき基本的な価値観「四国管財株式会社ベーシック」に基づいた採用活動。ベーシックを順守し、理念を共有できる人材のみを採用。
・これまでの選考過程における経験や、採用後の意見や不満を基に、多岐にわたるチェックシートを作成。
・面接は応募者の自宅まで出向き実施。採用後は家族へ挨拶。新卒者の卒業式に社長、社員が出席。
・職務を全うしうるのであれば99歳までが採用対象。
育成
・入社後に3日間の新人研修。互いの夢を語り合い、理念を共有。技術研修は現場で実施。
・年2回の技術研修は参加必須。基本を見直し徹底を図る。
・社員は「四国管財株式会社ベーシック」を常に所持。定期的に内容を再考し、時流に合わせ変更する。分かりやすいものにする。
定着
・社長自ら「お客様係」としてクレーム対応。
・報連相を徹底しミスを社員のせいにせず、風通しの良い職場環境を作る。
・電話、メールなどで、常に社長に直接意見、相談ができる。寄せられた意見には必ず返事する。
・「心の相談室」を開設し、産業カウンセラーを配置。仕事だけでなく、プライベートの悩みや健康相談も24時間体制で受け付ける。
・常に社員との会話を心掛け、悩みや問題を抱えていないか察知する。
成果
スタッフが生き生きと仕事に取り組み、評判が上がることにより、紹介や口コミでの新規取引が拡大。売上向上につながる。
企業ストーリー

仕事にプライドを持てず、無精ひげ、咥えタバコ、あいさつもしない社員たち

 四国管財株式会社は1962年に創業。順調に業績を伸ばしていった。汗水を流し会社を成長させていく先代である父親の背中を見て、中澤社長は小学校2年にして会社を継ぐことを決意したという。
 大学卒業後、同社の新卒入社第1号として晴れて四国管財に就職。「ビルをきれいにして、オーナー様と利用するお客様に喜ばれる。こんな素晴らしい仕事はない」先代を見て育った中澤社長はそう信じて疑わなかったが、社内の雰囲気は違った。無精ひげ、咥えタバコ、あいさつもしない。「こんな仕事、人に言えない」「若いモンがやる仕事じゃない」と先輩たちは口を揃える。朝の掃除、社用車の洗車、何を提案しても大反対。だが、新入社員として現場に飛び込み、先輩たちと仕事をしてその声を聞いていくなかで「職場環境も良くないのではないか」との思いも芽生えてきた。なんとかしたい一心で、直属の上司に相談せず、直接専務に掛け合ったことがあった。要求はすぐに通ったが、面子を潰されたと感じた先輩の怒りは相当なものだった。これではダメだ。もっと根本的に会社を良くしていかないと…。無精ひげを剃らない先輩たちに業を煮やし、毎朝髭剃りを配って回ったこともあった。悔しかった。だが、こうした逆境は中澤社長の負けじ魂に火を付けた。「怒りはありました。だけど、怒りは行動力の素になる。夢と怒りが私の原動力でした」。理想を模索しながら、中澤社長の試行錯誤は続いた。

常に笑顔で、夢を実現することができる職場の醸成へ

 約10年間の現場生活を卒業して、管理職へと異動した中澤社長が直面したのは「いくら床がピカピカになっても、会社は守れない」という現実だった。どれだけ技術を磨いても、入札で負ければ仕事は無くなる。「技術だけでなく、スタッフの人間性を高めることが組織の強化につながる」。そう思った中澤社長はさまざまな経営方法を学んだ。
 そんなある日、知り合いの社長さんから「日本経営品質賞」というのがあるよ、と教えられた。お客様も喜び、スタッフも喜び、その活動の結果、地域にも喜ばれるという経営向上プログラムを知り、「自分のやりたかったことはこれかな」と目標が定まった。また同時期に組織活性化コンサルタントに出会ったことも大きな変革のきっかけとなった。「それまでの私は、仕事中は難しい顔をして一所懸命、プライベートは楽しくと使い分けていたのですが、そのコンサルタントに“仕事中もプライベートと同じように楽しくしてもいい”と教えられました。目からウロコとはこのこと。スタッフにも仕事を楽しんで欲しい。それをきっかけに、経営理念を作り直しました」。リッツ・カールトン・ホテルの“クレド“と呼ばれる経営理念を参考に、四国管財流の解釈を施して明文化。それが「四国管財株式会社ベーシック」だ。社会人としての基本的な常識や仕事に対する姿勢、そして中澤社長の経営哲学「会社は自分の夢を実現するための手段」といった内容が、分かりやすく15項目に文章化されている。このベーシックと会社の将来像を記載した「ドリームカード」は全スタッフが常に携帯している。

人間性を把握するために、応募者の自宅で面接

 「会社を良くするキーワードは“採用”だと思います」と中澤社長。入社後にいくら笑顔の練習をしても、それは取ってつけたものでしかない。最初から笑顔の素敵な人を採用すれば、笑顔の練習などしなくても良いし、無精ひげを剃らない人は採用しなければいい。
 面接時には「四国管財株式会社ベーシック」を提示し、その内容を守ることができるかを確認。また入社後「そんな話は聞いてない」と言われないよう、これまでにあったトラブルや質問、疑問をチェック項目に組み入れ、細部にわたり細かに説明する。
 仕事の現場には、スタッフ1人で派遣することもある。社を代表して送るスタッフである以上、会社はそのスタッフがどういう人間であるかを把握しておかなければならない。仕事とプライベートの垣根を越え、四国管財という家族の一員として迎え入れるために、面接は応募者の自宅で行う。家族に挨拶をし、新卒者の卒業式に出席し手紙を朗読する。朝起きられないスタッフには目覚まし時計を数個渡す。ミスを個人のせいにせず、叱らない。問題点があれば、根気強く諭し続ける。採用基準は厳しいが、入社後は徹底的に面倒を見る。
 同社では産業カウンセラーを配置し、仕事だけでなく、プライベートの悩みや健康相談も24時間体制で受け付ける体制を敷いている。また仕事のこと、プライベートのこと、うれしかったこと、楽しかったこと、どんなことでもいつでも中澤社長へ直接声を送ることができるようになっている。取材中も中澤社長の携帯には、スタッフやスタッフの家族から続々とメールが届いていた。仕事に対する真摯で厳しい姿勢と、どこまでも家庭的な社風が同社を上昇気流に乗せている。

業績の倍増。口コミによる受注の大幅増。業態の変化。

 数々の改革を行ってきた結果、中澤社長の入社当時に比べ、業績は倍増。さらにお客様間の口コミによる受注が拡大し、営業にかかる時間・コスト削減に繋がった。近年では、清掃業で培ったノウハウをもとに、ビル内の売店や託児所運営などの異業種にも進出、売り上げが急速に伸びている。

最近では、社内でネコを飼っており、和やかな雰囲気作りにも一役買っている。

2013年四国経済産業局より「おもてなし経営企業選」に選出。顧客を大切にする姿勢に対する評価は高い。

理念の浸透は、社員の意識を高めると同時に、同じベクトルで仕事に臨むため、社内の風通しもよくなった。

会社はこう変わった

社内の雰囲気が変わり、スタッフがいきいきと仕事ができる職場に まだ経営方針を模索していた頃、成果主義を掲げていたことがあった。「社員さんは大変だったでしょうね」と中澤社長は振り返る。当時はスタッフの意見に耳を貸すことすらなかったが、「厳しく指導しても人は育たないということを実感しました」。 現在ではスタッフが「いきいきと仕事している」とお客様に褒められたり、スタッフから「この会社に入れて良かった」と言われるなど、改革の手応えを感じている。

今すぐできるはじめの一歩! 1.プライベートな事柄も含め、スタッフが気軽に相談できる窓口を社内に設けましょう。
2.人間性を把握するために、応募者が素になれる場所で面接をするなど、
 場所の工夫もしましょう。
3.現場を把握するため、経営陣自らが、ミスやクレームに触れる機会を設けましょう

企業データ

企業名:四国管財株式会社
住 所:高知県高知市はりまや町2丁目4-15
設 立:1962年6月 
従業員数:550名(2014年10月現在)
http://www.shikokukanzai.co.jp/
【事業内容】
ビル総合管理及び建物の関わるあらゆる人的提供サービス


※本記事内容、データにつきましては、取材時(2014年12月)の情報です。

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