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空白の世代を埋めるために新卒採用を再開。充実の研修で次世代のリーダー育成を目指す。

生活協同組合コープえひめ

良いところに光を当て、横に広げるコープえひめでは「素直に学ぼう」「まずやってみよう」の精神が職場に根付いています。全国の生協の先進事例を積極的に取り入れるだけでなく、各部長が部内報において月に1人、良い取り組みをしている光り輝く職員を取り上げ発表。職員自らも仕事改善提案活動を行い、良い事例は職場内で共有。件数・内容に基づいてポイントを付け、上位の職員を年間表彰しています。

常任理事
竹村義則
1958年生まれの55歳。東温市出身。1983年にコープえひめに入協。主に人事・教育畑を歩む。常任理事に就任後も、精力的に職員の人事・教育面での改善を続ける。
課題
2004年の合併に伴い、新卒採用をストップ。次世代を担う人材が不足する。
改善策
採用
・2009年に新卒採用を再開、毎年2~3名ずつ採用。
・会社説明会を毎年ブラッシュアップ(会場を街中のコムズに変更、動画を流すなど)。
・選考段階で学生は配送トラックに同乗、1日仕事体験。
・内定辞退を避けるために懇談会や事前セミナーを複数実施。
・希望に応じて非正規・パート職員から正規職員への登用あり。
育成
・充実した新人研修(3ヶ月研修、6ヶ月研修、フォロー研修)。
・入社後3年間は通信教育による研修(初級、中級、管理)。
・外部コンサルタントによる傾聴研修、自己革新研修。
・非正規・パート職員に対して理事長出席のもと理念研修を実施。
・各職場で年2回、職場懇談会を実施。常勤役員が出席し、経営方針を伝える。
・年2回の人事評価とそれに伴う面接を徹底。
・役員および管理職は360度評価。
・注目したい良い取り組みを実践事例として部内報で発表。
・全国の生協の先進事例を積極的に取り入れる。
定着
・新卒採用者は原則として前年の新卒採用者がいる職場に配属。
・愛媛県中小企業同家友会の合同入社式に出席、異業種交流を深める。
・人事異動では介護者がいないかなど、家族の事情を配慮。
・合併時においてもリストラをしない経営。
・企業年金基金や職員借上住宅など福利厚生でも手厚いサポート。
・各職員による仕事改善提案活動を実施。提案件数と内容でポイントを付け、上位者を年間表彰。
成果
合併後の企業運営が軌道に乗り新卒採用再開。好調な業績が続く。
企業ストーリー

新卒採用を8年間控えたために、空白の年代が生まれる

コープえひめは26万人の組合員数を誇り、商品の共同購入や自宅までお届けする宅配事業、県内13ヶ所の店舗の運営、共済や介護事業など、暮らしに密着したサービスを展開。340名の正規社員を含む1,500名の職員が働いている。
実はコープえひめは、2004年10月にえひめ生活協同組合と生活協同組合コープえひめが合併して再スタートした。「重複する機能もあり、合併が視野に入った2002年から2008年までは新卒採用をストップ。次世代を担う若手の年齢層に空白ができ、組織として危機感を感じていました」と竹村氏。非正規から正規職員への登用制度も設けたが、もはや空白の世代を埋めることはできない。今後、定年退職が増えることもあり、2009年に再び新卒採用に踏み切った。

新卒採用を再開、ミスマッチの解消と受け入れ態勢に力を入れる

新卒採用を行うあたり、コープえひめが最も力を入れたのがミスマッチの解消だ。選考時に学生は配送トラックに同乗、1日をかけて仕事を体験。説明会において「~よりよいくらしの想いをかたちに~」という理念を説き、組合員の暮らしに密着し、ともに歩む姿勢を動画等を用いて伝えた。
新卒者の受け入れ態勢も整備した。異業種交流も兼ねて愛媛県中小企業家同友会の合同入社式に参加。新卒再開後、最初の年は新人2名を同じ職場に配置。翌年からは前年に入社した先輩が働く職場に配置した。
「長年、新卒採用を控えていたので、新人には近い年齢の先輩がいないケースが多い。スムーズに職場に溶け込めるように配慮しました」と狙いを語る。新人のスキルアップにも余念がない。3ヶ月研修、6ヶ月研修、フォロー教育、さらには全国の生協が受講できる通信教育と充実の内容だ。

充実の研修制度、職員からの改善提案も積極的に受け付ける

充実した研修は新人にとどまらない。通信教育は2年目、3年目とより高度なものとなり、その後もお客様対応を学ぶ傾聴研修や社会人としての素養を学ぶ自己改革研修を実施している。
コープえひめでは、スキルアップもさることながら、理念の浸透にも力を入れている。地域の組合員の代表者が集い経営の意識決定を行う「総代会」のビデオを各職場で視聴。職員は感想文にまとめ、役員は全てに目を通す。さらに、非正規やパート職員に対しても「理念研修」を実施し、理事長自らコープえひめの歴史やビジョンを語る。
 「理念や情報の伝達は上部組織からの一方通行では片手落ち」と竹村氏。コープえひめでは常勤役員が交代で各職場を巡り、職場懇談会を年2回実施。理念や経営方針を伝えるとともに、職員からの改善提案や質疑応答に答える。

新卒採用の大切さを再認識、高い定着率が続く

「結婚退社以外ほとんど辞める職員はいません。私と同じ年に入社した5名の同期も今も生協で活躍中。新卒を再開し、入社した職員もスムーズに成長しています」と竹村氏。新卒採用を控えていた時は地域社会へ貢献できていないと後ろめたい気持ちもあったという。 
 新卒採用を再開して5年。まだまだ空白の世代を埋めるまでには至っていない。でも、その過程があったからこそ、継続して新卒採用をすることの大切さを組織全体が認識することができた。「よりよいくらしの想いをかたちに~」、その志を胸に1,500名一人ひとりの職員が地域の人々と真摯に向き合っている。

仕事の改善提案活動は、継続して実施。年間ポイント上位の職員は表彰

合同説明会には積極的に参加。学生との接触回数を増やしている

清潔で商品が見やすくレイアウトされた店内

会社はこう変わった

新卒の再開で組織が活性化。合併後の組織改革も順調に進む 2004年の合併後、人事制度や給与体系を一新。「皆で頑張れば前進できる」という当時の理事長の号令のもと、リストラを実施せず組織改革を進めてきた。合併後の移行も一段落し、新卒採用を再開。 新しい血が入ることで、組織の活性化につながっているという。 コープえひめでは事業の主軸となる共同購入・宅配事業以外にも環境や福祉などバラエティ豊かな活動を実施。その取り組みは地域の人々の様々な暮らしのシーンに及んでいる。

今すぐできるはじめの一歩! 1.経営方針やビジョンについて話し合う場を設け、従業員からの質疑応答や改善提案も積極的に受け付けましょう。
2.新卒採用時は職場体験を実施するなど、ミスマッチを解消する工夫をしましょう。
3.新人は年の近い従業員がいる職場に配置するなど、相談のしやすい環境をつくりましょう。

企業データ

企業名:生活協同組合コープえひめ
住 所:愛媛県松山市 朝生田町3丁目1番12号
創 業:1974年7月
設 立:1974年7月  資本金:出資金91億3,100万円(2013年3月末現在)
従業員数:1,512人(2013年10月現在、職員・嘱託・パート含む)
http://www.coopehime.or.jp/
売上高:(総供給高) 290億4,223万円(2013年3月期)
【事業内容】
共同購入・宅配事業、店舗事業、共済事業、生活・文化サービス事業、旅行サービス事業、介護サービス事業、デイサービス・きどさんちの運営、くらし助け合いの会
【グループ会社】
株式会社コープ住まいるえひめ、有限会社コープサービスしこく

※本記事内容、データにつきましては、取材時(2014年1月)の情報です。

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