【第3回】~採用市場変化に合わせた就職支援~

今年からはじまった就職活動の後ろ倒しの影響と景気回復による人手不足感から、採用活動の企業間差、学生間差が広がっているように感じます。
学生は短期決戦になることを見越し、志望度の高い会社に絞ってエントリーしているという声をよく聞きます。また、大手企業は8月以降に面接を予定しているところが多く、そこだけを狙っている学生と、とりあえず内定を取りたいから受けられるところは受ける学生に分かれる傾向も出ています。5月中旬には、内定を複数持っている学生から、まだ一社も面接を受けていない学生まで、例年以上に学生側の就職活動状況の違いがはっきりしています。
一方、企業の採用意欲は旺盛で、7月にジョブカフェ愛work主催で行う合同会社説明会には、50社の募集数に対し、2日間で150社近くの応募がありました。ハローワークでの求人公開が8月以降ということも影響し、特に民間求人サイトに載せずに募集活動を行っていた中小企業では、応募者数が例年以上に少ないというお声を耳にします。
そんな企業側が苦戦しそうな様子が見える現在ですが、今まで比較的人気のなかった県内中小企業がインターンシップを活かし成功している様子も感じられます。営業がきつめで離職率も高い傾向のある会社を「第一志望」という学生の声に驚きました。よくきくと成長意欲の高い彼の志向にはマッチすることがわかりましたし、インターンシップで先輩から楽しさと辛さの生のお声を聞いて志望度が高まったということでした。他にも今まで勤務地が松山でないということで採用活動に苦労されていらっしゃった企業や、学生は普段接しない商品を扱っている企業へ行った学生からも「職場の雰囲気がよかった」「社員が生き生きしていた」等、インターンシップで社員に出会うことで、志望度が高まるケースがありました。
このような学生の声から、ついに愛媛でもインターンシップを採用に活用する企業が増えてきたことがわかります。東京などでは何年も前からインターンシップといえば採用直結になっていますが、愛媛ではどちらかというと、学生の教育のため、社内の若手の育成の機会のため、という位置づけが多かったように思います。それがこの就職活動の後ろ倒しの影響をうけ、愛媛県内にも広がりをみせるのかもしれません。

グラフ

ただインターンシップは諸刃の刃で、入社するまでわからなかったことをも知らせてしまいます。今まで採用市場では人気だった企業でも、インターンシップを取り入れた途端、「意欲の低い社員が多かった。」「仕事にやりがいがなさそうだ。」という噂がTwitterなどで瞬く間に学生に広がってしまいました。インターンシップを始める前よりも、希望者が減っているようです。数年前にはありえなかったことで、学生のネットでの情報拡散力とSNSを通して知る友人の情報への信頼性は想像以上に高いようです。しかし、その会社にも意欲が高く優秀な方がたくさんいらっしゃるはずですので、どんな社員を学生と会わせるかは、インターンシップでのイメージ形成には大事になってくることがわかります。
ジョブカフェ愛workでは、学生の就職支援だけでなく、企業向けの採用活動支援も行っております。今までは、どちらかといえば、学生に伝えきれていなかった企業の魅力を知らせることでマッチングを図る支援を行ってきました。しかし、今後もしばらく続く売り手市場に合わせ、学生から選んでもらう会社になる視点や採用活動手法についての情報提供が必要になってくると感じています。

~若者を育てる 大人が変わる~
ジョブカフェ愛work(愛媛県若年者就職支援センター)
企業グループ・キャリアコンサルタント 寺尾真奈美

2015年06月25日更新 | カテゴリー:企業の方, 愛媛の経済サイト E4, 教育機関・保護者の方