【第14回】 ~新入社員が会社や仕事になじむとき~

ジョブカフェ愛workの相談コーナーでは、ゴールデンウイークがあけると、ぽつぽつと仕事を辞めたと相談に来る方が増え始めます。昨年度の就職活動は市況が影響し、簡単に内定が取れた方も多く、そんな人が増えはしないかと心配しています。
実は私には、今年小学校一年生になる息子がいます。新入生というのは、幼稚園という遊びが中心だった世界から、学校という勉強と秩序が中心の世界へ適応する必要があります。その様子は、学生が社会人へと適応するプロセスと重なることがたくさんあります。
先日、新一年生のパパ・ママ向け講座に参加しました。講師は、小学校教諭と学習塾経営30年の経験者の方です。その中で、二つ印象に残ったことがありました。

 一つは、学ばせ方の工夫。算数には十進法の感覚が身についていることが大事だそうです。両手を広げて、「ぱっと見せるから、何本なのか当ててね」「3!」というようなことをしていました。指は十本。3+7=10、2+8=10 10-6=4。理論よりも感覚で生きてきた子供の感覚を刺激しながら、考え方のベースを作る方法がとても新鮮でした。果たして、新入社員研修では、このようにうまく学生の感覚から社会人の感覚へ移行させられているだろうか?と考えさせられました。

 もう一つは、教える側の成長を待つ姿勢。「まじめなお母さんほど、簡単な問題がわかっていないと、こんなところで躓いてはいけないと、一生懸命理屈で教える。でも、すぐにはわからないから、親はイライラし始め、子供も泣き出す。そんなことをするくらいなら、そこは答えを教え、15分くらいで楽しく切り上げるほうが、やる気が持続する。」「一年生のときにこんなこともわからなかったら、二年生になったらどうなるのか?と親は心配するが、二年生になったらわかるようになるのです。」そんな話を聞いて、確かに私もそうだったということを思い出しました。「習うより慣れろ」。たくさん数をこなすうちに、わからなかったことが、いつの間にかわかるようになる感覚を持ったことが、小学生ながらに不思議でした。上記の感覚を思い出し、即戦力を求めすぎるのは、将来成長する人材をつぶしてしまう結果になりかねないとわかりました。

 それから最後にストレスへの対処。新入生と同じく、新入社員にかかるストレスは高いものがあります。息子は同じ幼稚園から入学する生徒のいない小学校に入学しました。起床時間は早くなる、幼稚園では怒られないことで怒られる、気の休まる友達もいない、ほっとする休み時間も少ないなどが重なり、帰ってきたときはぐったりとしていて、イライラしています。新入社員にも起こっていることだと、容易に想像できます。
一生懸命適応しようとしている息子を見て、改めて、新入社員というのは、ストレスが強くかかっている状態であること、一律に教えればわかる、できるというものではないことを改めて強く感じました。このような状況なのだと新入社員を思いやり、こちらが思うようには、仕事はすぐにはできないものだと認め、温かく見守る姿勢というのが、受け入れ企業側には必要です。
一人でも多くの若者が、職場や仕事にうまく適応していくことが、私たちキャリアコンサルタントの願いです。『仕事に慣れる前に職場に慣れる、居場所ができること』が継続には大事だと感じています。ぜひ、新入社員に声をかけてあげてください。

また、ジョブカフェ愛workでは、会員様限定ではありますが、出張講座を無料で開催しています。新入社員のフォロー、受け入れ側上司の教育にぜひご活用ください。

 

~若者を育てる 大人が変わる~
ジョブカフェ愛work(愛媛県若年者就職支援センター)
キャリアコンサルタント 寺尾 真奈美

 

2016年05月26日更新 | カテゴリー:企業のみなさま, 愛媛の経済サイト E4, 教育機関・保護者のみなさま